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価格を決めるタイミング

新商品を世に売り出す際には、
どこかのタイミングで価格を
決める必要がある。
大抵の場合は、発売のかなり
前の段階で、予め決めておく
だろう。

どれくらいの価格で売ると、
どれくらいの利益が取れて、
どれくらいの額を販促に回し、
どれくらいの額が手元に残るか。
そういったシミュレーションを
行って、投資対効果ありと判断

すれば、発売へと舵を切る。

モノづくりをするメーカーは、
この「値付けを事前にやる」と
いうことが「当たり前」だという
意識、感覚を持ちがちである。
しかし、「値付けを事前にやる」
のは決して当たり前ではない。

「ダイナミック・プライシング」

という言葉を聞いたことがある
だろうか。
要は、需要と供給の変動に応じて
都度柔軟に価格を変えていく手法

のことを指す。

サービス業では、この考え方が
「当たり前」になっている。
ホテルや旅館などの宿泊施設は、
シーズンによって、曜日によって、
かなり激しく相場が上下するという
ことは多くの皆さんが経験済みの
ところだろう。

もちろん、儲けが出る範囲内で
柔軟に上げ下げするのが基本的な
考え方だろうが、需要が極めて高い
場合など、法外な金額に跳ね上がる
こともあるのはご承知の通り。
例えば、GWやお盆、お正月期間の
エアチケット代や、主要観光地の
ホテル料金が典型例だ。

また、Amazonに代表されるように、
自分より安い価格で売っている
ところがないかを、AIを駆使して
チェックし、自動的にその価格以下
に下げるという小売店すらある。

この「ダイナミック・プライシング」
は、消費者が買う直前に価格を決める
わけだが、消費者が買った後に価格を
決める
という、常識外のやり方をする
事業者も出てきた。
「あと値決め」
「ポストプライシング」

と呼ばれるこの手法を実施したのは、
アクセサリー販売を手掛けている
「HINA BY SUPERBLY」
というブランド。

こちらの常設サイトは、普通の
オンラインショップである。
販促会議4月号の記事によれば、
このブランドがライブコマース、
つまりオンライン上でイベント的に
行う販売会において、この手法を
導入した
とのこと。

消費者は、まずライブコマースで注文、
商品が届く。
その後で、消費者が払ってもいい
価格を決めて、それをコンビニなど
で支払う
というのだ。
下限価格は存在するものの、
消費者には「高いものをつかまされた!」
という失敗を回避できる心理が働く
ので、安心して買い物できるメリット
ある。

同記事によると、ライブコマースの
「あと値決め」で購入したお客様と、
通常の購入フローを経たお客様とで、
どんな違いがあったのかを見れば、
コマースの効果測定ができるのでは
ないか、という分析を加えていた。

このようなプライシングは、消費者
との間に信頼関係がないと、なかなか
成り立ちにくいと思われる。
常日頃から、ブランドを応援したいと
思っているファンを地道に構築
して
いれば、そのブランド力に応じた
「プレミアム」を頂戴できる可能性が
高いだろう。

これから「あと値決め」的な手法が
世の中に広がっていくのか、
注目をしておきたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。