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Vチューバーがアンバサダー

「周央サンゴ」と聞いて、そもそも
読み方が分からずに戸惑った。

「すおう」というのが苗字の設定。
「周央サンゴ」、通称「ンゴちゃん」
人気のVチューバー、あるいは
バーチャルライバー

そんな彼女が、伊勢志摩にある
近鉄グループのテーマパーク、
「志摩スペイン村」と組んで、
今年の2月11日から4月2日まで
コラボイベントを実施していた。

「志摩スペインゴ村へ、来て!」
とのメッセージにクラクラする。

事の発端は、ンゴちゃんが定期的な
配信の際に、スペイン村の魅力を
「園内に人がいないから、景色が
きれいで並ばず楽しめる」
などの
バカ正直なコメントを寄せており、
それがSNSで話題になったこと。

そこにスペイン村の方が乗っかり、
YouTube上でコラボ動画を公開。
反響の大きさから、遂にはコラボ
イベント立ち上げにまで至った
様子。

この2月と3月は、元々閑散期で、
かつコロナ禍の影響があったせいで
評価が難しいところだが、対前年
同月比で2.4倍、1.8倍の入園者数を
それぞれ記録
したという。

販売するコラボグッズの準備等に
かかるものも含めて、諸々費用を
足し上げると、1億円近い投資
行ったともあった。

それでも、数倍の収益を回収できた
らしいから、「ンゴちゃん効果」
かなり満足をしているようで、
次の企画も検討中らしい。

この話は、4月10日付の日経MJの
記事で読んだのだが、記事内容で
興味深かったのが、企画担当者が
「スペイン村の世界観が崩れない
ように企画を進めた」
と話している
ところ。

スペイン村はテーマパークとはいえ、
ディズニーリゾートやUSJとは
異なり、キャラクター勝負のハコ
ではないだろう。

そこに、ともすると「オタク」向け
と取られやすそうなVチューバー

コラボ参戦して目立ってしまえば、
本来のターゲット顧客層が離れて
しまうリスク
があったわけだ。

記事にある「主な顧客層」の想定は、
周辺に住むファミリー層
小学生くらいのお子さんと
その親御さんだと考えると、
Vチューバーがピタッとハマって
いるとは言えなそうだ。

そこを、絶妙(?)なさじ加減で
Vチューバー推しになりすぎず、
スペイン村本来の良さを打ち出す
形で着地させた
ということの
ようだ。

今回のように、アンバサダーを
任命したり、TVCM等でブランドの
「顔」として起用するなど、
タレントやYouTuber、Vチューバーを
活用する企業やブランドは多い。

その際に、自社、自ブランドが持つ
本来の良さ、姿勢、ビジョンなどを
塗り替えてしまうような、強烈な
個性
のタレントを使ってしまうと、
何のために高いお金を払って起用
したのか意味が分からない事態に
陥りかねない。

起用するタレントは、あくまでも
主従の「従」

「主」となるコミュニケーション
戦略が確固としていればこそ、
「従」も活きる
のだということは
必ず頭の片隅に入れておかねば
ならない。

スペイン村の例は、発端が発端だけに、
先に戦略ありきではなかった。
それでも、何とか上手にイベントを
やり切った点は評価できる。

続けるにしても止めるにしても、
どのようなコミュニケーション
戦略を描いた上でVチューバーを
使いこなしていくのか

引き続き成果が出るように
頑張っていただきたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。