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リアルの価値

リアルに会わなくても大丈夫。
オンラインでどうにかなるものだ。
バーチャルでほぼ何でも置き換え可。

今回の一連の騒動を通じて、そんな
感想、実感を持った人も少なくない
はずだ。
私自身もその一人。
意外と何とかなるものだ。

むしろオンラインの方がメリットを
感じる場面もあったりして、低い
低いと言われ続けた日本のホワイト
カラーの生産性もこれで一気に改善
されるのではないかと思うほどに、
今「働き方革命」が絶賛進行中、
という印象を抱いている。

「働き方革命」を超えて、それこそ
「生き方革命」と呼んでも良いのかも
しれない。
アフターコロナ、ウィズコロナ、
という言葉が語られる文脈では、
もうコロナ以前の古いやり方には
戻らない、戻れない、この変化は
不可逆的だ、と言われる。
そして、これは真実だろう。

バーチャル、オンライン、
呼び名は何であれ、リアルを省いて
色々な物事が進行する世界。
物理空間がなくなるわけではなく、
例えばバーチャルな食べ物を摂って
食べたことにするなんてことは
無意味だし、オンライン医療と
言っても最終的にはリアルに触診
が必要だったり、手術のように
それが不可欠な場面もあるはず。
だから、あくまでも「言葉」や
「概念」のやり取りを生業にして
いる人たちメインの話ではある。

スポーツ観戦や音楽鑑賞といった、
娯楽の世界ではどうだろうか?
Stay homeな日々を過ごさざるを
得なくなり、ゲーム業界が一気に
業績を上げていることが話題に
なっていたが、スポーツや音楽も
ここに来て一気に「消費量」が
増大しているものと思われる。

勿論、リアルタイム=ライブで
楽しめるものは極々わずか、
ほとんどは過去の記録にならざるを
得ない。
それでも、YouTubeをはじめとする
オンラインプラットフォームに
人々が殺到しているのは間違いの
ないところ。
そこで、「過去の記録」でも十分!
という人が大多数を占めると、
リアル=ライブの価値というものが
崩落するということになる。

しかし、人というのはそれほど単純
な生き物ではない。
やはり、スポーツにしても音楽に
しても、リアルで、ナマのライブで
楽しみたい!というニーズは消えない
のではないか。

あくまでも一つの例ではあるが、
YouTube(Google)がある調査をした
そうだ。
フジロックフェスティバルにリアル
では行ったことのない人が、その様子を
収めた動画を堪能した後に、アンケート
調査に答えてもらうというもの。
なんと、60%もの人が、
次は是非現地に足を運びたい!
と答えたらしい。

この調査自体は、YouTubeが広告主に
対して、自社の広告営業をしやすく
するためのもの。
YouTubeでコンテンツを惜しみなく
見せたら、リアルの場に来てくれない
じゃないか!という広告主の声を抑え、
むしろ出し惜しみしない方が来場の
促進になるんです!という説得を
するツールとしてのデータである。

ということを差し引いたとしても、
「次は現地に」という視聴者のホンネ、
インサイトは、何となく分かる気が
するのではないだろうか?

どんなにバーチャルが進んでも、
リアルはリアルでその独特の価値を
保ち続けるのだろう、そんなことを
思ったのだった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。