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ターゲット・サンプリング

我が家はマンション暮らし。
購入したのはもう22年前、
結婚後の新居を方々で探す中、
新築間もないタイミングの好条件
物件に巡り合えた。

今でこそペット可の物件がだいぶ
増えてきている様子だが、
当時はほとんどのマンションが
ペット不可
特に飼う予定もなく、ペット不可の
条件についても当然のことと理解
して入居した。

妻の実家では、以前に犬を飼っていた
が、亡くなってから20年程はペットを
飼うこともなく過ごしていた。

ところが最近、猫を飼い始めた。
ひょんなことからトントン拍子に
話が進み、我が家の近所の保護猫を
もらい受け、田舎の広い一軒家で
のびのびと飼っている。

その猫が、たびたび脱走する。
捕まえるために、またたびを買ったり、
仕掛け(ワナ)を買ったり。
以前には、普通にエサも購入している。
PRIME会員特典で無料配送だからと、
私のAmazonアカウントで代理購入する
こと度々。

こうした購買行動が、Amazon経由で
「広告主」に提供
された結果、
冒頭の写真のような「試供品」
送られてくることになる。
我が家は猫を飼っていないし、家では
飼えないにも関わらず、である。

この場合、私は、広告主である
「CIAO」ブランド(いなばペットフード)
から「ターゲット」にされた格好だ。

彼らとしては、自分たちの商品を
より多くの人に試してもらい、
気に入ってもらいたい。
ターゲットにしたお客様を相手に、
いわゆる「パーチェスファネル」で、

1.認知
2.興味
3.行動
4.比較
5.購入
6.使用
7.愛着

この1から5をすっ飛ばして、いきなり
6まで行けるのがサンプリングである。

通常は、まず知ってもらう=1の認知を
獲得するところから。
ついで2、3、4、、と順を追って関門を
クリアしていってもらう。
そんなまだるっこしいことをせずとも
いきなり試してもらえる可能性が高い
施策として、サンプリングはかなり
幅広く活用されている。

ゴールは、使用(6)後にしっかりと
愛着(7)を持ってもらい、
また購入(5)に戻って再使用、
以下延々と「5→6→7→5→(略)」の
ループを続けてもらうことだ。


このループを続けていただくお客様、
つまり高い確率で自社商品のファンに
なっていただけそうなお客様を、
最初に選び抜かなければならない。
それこそが「ターゲティング」である。

おそらくは、Amazonの購入履歴から、
・猫のエサ(競合品)を買った人
・直近〇ヶ月以内に買った人
・〇回以上買った人
等々の条件で対象者を絞り込んでいき、
使えるお金との兼ね合いで何人の
「潜在的ファン層」にアプローチするかを
決めるのである。

そうやって選ばれた「潜在的ファン層」
に、私のような猫を飼っていない、
家で猫を飼えない人も含まれてしまう。
これは、「個客」をいちいち相手には
できない「マス」向けマーケティングの
限界だった。

しかし最近では、AIのとてつもない
速さでの進化によって、個別事情を
汲んだマーケティングが、恐ろしい程
正確にできるようになっている。

今回の事例で、AmazonのAIが私を
猫関連商品の潜在的ヘビーユーザーと
判断したのは、あくまでも一人の例に
過ぎない。
その他の多くの「ターゲット」は、
恐らく「CIAO」ブランドの側から見て
理想的な「潜在的ファン層」を選択
できていたに違いない。

このサンプリングを受け取った人のうち、
どの程度の割合の人が、実際に注文を
してくれるのか。
いなばは、それらの数字を踏まえて、
施策の妥当性を判断するだろう。









己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。