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「お客様プリーザー」という職種

書くことの効用は色々あるが、
そのうちの一つに、
「アンテナが立つ」
というものがある。

自分の頭を使って、考え、悩み、
言葉を紡ぎだしていくという行為を
通じて、自ずと取り扱った言葉に
対する感覚が鋭敏になる。
すると、その言葉に関連する情報が、
まるで向こうから自分に吸い寄せられ、
集まってくるかのような感覚を覚える
ことがあるのだ。

昨日のエントリーで、
お客様を喜ばせることが「価値」に
つながる、そんなことを書いた。


そんな矢先に、この
「お客様を喜ばせる」
ということを職種の名前にしている
会社を見つけてしまった。
偶然にしてはタイミングが良すぎる。
やはり、「アンテナ」が立った結果、
ついこの情報に注意が向いたという
面があるのだろう。

通販化粧品の中でも、「草分け」の
うちの一つと言ってよいブランドに、
「ドモホルンリンクル」がある。
言わずと知れた、熊本県にある
再春館製薬所が展開するブランドだ。

たまたま、久々にブランドサイトを
見る機会があり、その際に

「お客様プリーザー」

なる見慣れない名前を目にした。

文脈から判断するに、
「お客様サービス」
「お客様相談室」
の名で一般に呼ばれるコールセンターで、
お客様対応を行う方々のことを指している
様子がうかがわれた。

「プリーザー」ということは、
「プリーズ」する人の意味だろう。

「プリーズ」、英語で「please」には、
「人を喜ばせる」という意味があるので、

「お客様を喜ばせる」人をコールセンターに配しています

そんなメッセージを私自身は受け取った。

サイト内をもう少し探してみたら、
このページに、「プリーザー」の意味、定義、
役割などがまとまっていた。

やはり「喜ばせる人」という意味で
正解だったようだ。

実際にどこまでお客様を喜ばせることが
できているかは、このブランドを使った
ことがないので、判断が付かないのが
正直なところ。

とはいえ、これだけ長く続いている
ブランドである。
熱心なファンを作ることに成功している
ことは、想像に難くない。

そして、そんなファンを作ることに、
「喜ばせる人」が貢献しているからこそ、
こうして堂々とコミュニケーションを
しているのだろうと推測できる。

マーケテイングの仕事は、突き詰めると、
「新規顧客の獲得」
「リピート顧客の維持」
の二つに分けられる。

後者の方が、前者に比べて圧倒的に
費用対効果が低いということは、
様々な先人が研究して明らかに
しているところ。
そして、熱心な顧客サービスは、
時としてリピートのカギを握るのも
また間違いないところである。

リピート顧客がリピートする理由は、
もちろん人それぞれだろうが、
やはりその商品なりサービスなりが
「喜び」をもたらしてくれたからに
違いない。
そんな「喜び」をもたらす人、
「喜ばせる人」なる意味の職種を作り、
お客様に対してそう名乗らせるのは、
「お客様に喜んでもらう」という
強い意志、コミットメントを感じる。

あえて一言モノ申すなら、
「プリーザー」
の単語は、日本人には馴染みが薄く、
覚えにくい。
かといって、より分かりやすい、
短い単語で「喜ばせる人」の意味を
込められる単語を他に見つけるのも
難しそうだ。

常にプリーザーたるべし。
是非そうありたいものだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。