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6次産業化のお手本

今日、立て続けに「6次産業化」の話を
見聞きしたので、これについて書け
という天の啓示と素直に受け止めて
書くことにする。

そもそも、「6次産業化」って何か?
という話から。
(ご存知の方は飛ばして下さい。)
1次から始まって5次、6次と続くの
だろうと誰もが感じるであろう
ネーミング。
しかしながら、

1次産業 = 農業や漁業
2次産業 = 製造業
3次産業 = サービス業

というのは大昔に社会の授業で
習った記憶があっても、4次と5次は
何だろう?
と思われる人も少なく
ないのではなかろうか?

何と、4次とか5次というのは存在
しない
のである。
そして、6次というのは、

1次×2次×3次=6次

という理屈(屁理屈?)から作られた
造語なのだ。
語尾を「産業」で止めずに、あえて
「化」を付けているのは、それが
理由なのだろう。

農林水産省の定義によると、
「6次産業化」とは以下の通り。

1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組です。これにより農山漁村の所得の向上や雇用の確保を目指しています。

より多くの具体例に興味のある方は、
下記の農水省のサイトを是非覗いて
みてほしい。


さて、6次産業化が分かったところで、
その素晴らしいお手本だろうと感じた
例を二つばかり紹介したい。

一つ目は、こちらの記事を書いたのが
友人で、Facebookに上がっていたので
中身を読んだところ、非常に素晴らしい
取り組みをされていたので是非紹介
したいと思ったという経緯。

農協経由でコメを卸すだけ、という
既存のレールに乗ったままでは、
農家は立ち行かない。
冷静にそう判断したご夫妻が、
ご両親の反対に遭いながらも、
何とか直販体制を徐々に構築。

栽培するコメ自体も、付加価値が高く
土地にも合っているコシヒカリの
比率を高めていく。
更に、コメそのものだけでなく、
より大きな付加価値を付けられる
商品開発
として、ポン菓子や米粉と
いったものを生み出していった。

新たな発想を持ち込み、チャレンジ
精神を発揮して困難を乗り越えていく
ストーリー自体が、大きな共感を生み、
そのまま販促にもなっている。


もう一つの事例は、私がコーチを依頼
している方から教えていただいた、
鳥取県の事例。

鳥取駅から車で30分。
完全に僻地である。
そんなところで、鶏を平飼いで育て、
滋味あふれる卵を産ませて、それを
ブランドに仕立てたのが、ひよこ
カンパニーの小原利一郎氏。

最初はこの卵の通販から始め、
軌道に乗った頃から
「この卵を産む鶏を育てている場所に
 行ってみたい」

というお客様の声に応えるべく、
「ココガーデン」というカフェ併設
の牧場スイーツ専門店をオープン。
ふわふわのパンケーキが大人気らしい。

牧場オープンからカフェオープン
まで、何と14年かけている。
「天美卵」と名付けたブランド卵を、
地道に、大切に育て上げ、満を持して
6次産業化に踏み出したように感じ
られる。

その8年後、観光地として機能する
複合施設「大江ノ郷ヴィレッジ」を
オープン。
更に昨年には、廃校となった小学校
を改装してホテルをオープン。
恐らくは熱いファンが沢山付いて
いるのであろう、着実にスケールを
大きくしていっている。

いずれの事例も、最初から壮大な
夢を追いかけたというよりは、
目の前にある課題を着実に解決して
いき、消費者に更に喜んでもらう
にはどうすべきか、何を提供すれば
更に付加価値を高められるか、
できることから進めていった
という
印象が強い。

まずは小さく始める。
素早くPDCA(あるいはOODA)を
回す。
成功を取り入れ、失敗を取り除き、
徐々に規模を大きくしていく。

スタートアップのお手本として、
そして決してビジネス環境的には
簡単ではない農業の世界での成功
事例として、非常に興味深い。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。