2040年の未来予測
世の中のほとんどの会社は、
中長期の目標を持っているだろう。
ごくまれに、目標を持たずに、
成り行き任せの経営をしている
場合もあるかもしれないが、
あくまでも例外。
中長期の目標を設定するためには、
中長期で世の中がどのように変化
していくのかを、ある程度見通して
おく必要がある。
前提とする環境がガラッと変わって
しまったら、やることなすこと
的外れ、そんな事態に陥りかねない。
変化を見通す上では、ドラッカーが
よく言う「既に起こった未来」を
見ておくのが重要だ。
これは、例えば人口のように、
統計データなどから明らかに10年後
や20年後、どうなっているかを高い
精度で推計できるものを指す。
それ以外にも、今の技術動向など
から、高い精度で10年後、20年後を
見通せる場合がある。
最近はこの手の本が流行りなのか、
よくAmazonでレコメンドされて
くる。
特に有名な本を挙げろと言われたら、
きっとこの本になるのだろう。
マイクロソフト日本法人の社長を
務めた後、投資コンサル会社を
立ち上げ、著書も多数の有名人。
なので、ご存知の方も多く、恐らく
この本もかなりの知名度。
なので今更取り上げるのもどうかと
思ったのだが、まだまだしばらくは
この本の中にあるネタは重宝する
はずであり、読んでおいて損はない
と考えている。
実際、会社で5年後、10年後にどう
ありたいか、ビジョンを考えるに
あたって、こういった本に書かれて
いる将来の社会像は大変参考になる。
AIがどういう進化を遂げているか、
移動手段はどうなっているか、
デリバリーも様変わりするだろう、
エネルギー源の主流は何か、
メディアはどういう形になるか、
会社という組織形態は残っているか、
エトセトラ、エトセトラ。
こういった疑問に対して、
「成毛節」とでも呼びたくなる
キレのある論調で、明快に数々の
予測を展開している。
温暖化のところについては今一つ
同意し難い内容が個人的にはある
ものの、概ね説得力ある、納得性
高い予測だと感じた。
日本の未来を悲観せざるを得ない
予測の数々に、正直読んでいて
段々暗くなったのは事実。
しかし、この事実と正面から向き
合わない限り、本当にこの予測が
そのまま実現してしまう可能性大
なのだ。
多くの人が、将来高い確率で
「現実化」してしまうこれらの
予測を把握し、そうではない
明るい未来を創造するために、
手を携えていかねばならない。
そんな思いに駆られる本である。
取り急ぎ、会社が近い将来直面
するであろう環境の予測として
活用しつつ、一人の日本人として
これらの予測が少しでもプラスの
方向性に振れるよう努めることと
したい。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。