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オリンピックスポンサーはペイするのか?

日本体育大学の健志台キャンパス
が、自宅から4-5㎞の場所にある。
週末にランニングする際に、
毎回ではないものの、
数回に一回程度通過する。

オリンピック期間中に、
キャンパス入口の目立つところに、
写真のような横断幕がドドーンと
お目見えしていたので、
思わず足を止めて撮影した。

日体大は、英語にするとNSSU
キャンパスに向かってくる学生が
着ているTシャツやジャージに
この4文字が躍る。
直訳だと、
「Nippon Sport University」
だから、NSUなのでは?
そう思って調べてみたら、
「Nippon Sport Science University」
何と「Science」(科学)の言葉が
入っているのだ。

そんな小ネタはさておき、
流石は「日本」と「体育」の
名を冠する大学だけあって、
オリンピック・パラリンピックの
出場者数がすごいことになって
いる。
卒業生も多いとはいえ、
オリンピアンが日常的にその辺を
ウロウロしている環境というのは
なんだか興奮する。

大学としても、PRのしがいがある
というもの。
このような横断幕がどこまで大学の
イメージに貢献するかは不明で
あるが、他にも様々な形で、PRに
務めているものと思われる。

何より、選手たちが活躍する度に、
メディアで「日体大出身」という
言葉を使ってもらえるのは、
大学の知名度と好意度をグンと
上げること間違いなし
だ。

日体大の場合は、オリンピックに
出る選手を育てたり、オリンピック
関連の学問研究を行うという関わり
方をしているわけだが、
やはりオリンピックと言えば、
スポンサーシップ、つまりは
お金を出して「公式スポンサー」
名乗り、オリンピックのコンテンツを
広告宣伝活動に使うという関わり方の
方がイメージしやすいだろう。

今回の東京オリンピックでは、
コロナ禍の影響で、ギリギリまで
やる・やらないに関する判断が揺れた
こともあり、スポンサーもさぞ大変な
「とばっちり」にさらされたことと
推測する。

とにかくお金がかかる
そんなイメージが浸透しているものと
思われるオリンピック。
具体的な金額は非公表なので、
下記のような記事から推測するしか
ないのが実情。

電通が間に入り、やたらと儲けている!
という論調もよく見かける。
開会直前の一連の辞任騒ぎで、
散々槍玉に上がっていたことを
覚えている方も多いだろう。

折角大金を注ぎ込むからには、
それがペイする、言い換えれば
費用対効果が高いと判断できる
結果を得ることが、
スポンサー側の命題だ。

慈善事業ではないので、
払っただけの効果を期待するのは
至極当然の話。

しかし、この費用対効果、
オリンピックが回を重ねる毎に
下がって来ているのが近年の
傾向ではないだろうか。

みんながテレビや新聞で情報を
得ていた時代、スポンサーの
制度はかなり効果的だったはずだ。
誰もがお決まりのメディアを通じて、
ほぼ同じ情報を得ていた時代。
スポンサーが広く世の中に認知
させたい商品やサービスを、
効率的かつ効果的に発信できた。

しかし、今はテレビと新聞以外の
メディアからいくらでも情報を
得られる。

おまけに、テレビのCMは容易に
スキップされる。

リアルタイムではスマホの方に
浮気され、ビデオ録画では早送り
されておしまい。


そんな状況にも関わらず、
スポンサー費用は回を重ねる毎に
上がっているのだという。
お金が余って使い道のない会社が、
節税対策の一環で投資する、
そんな現実的な理由でもない限り、
実際に投資をする判断を下すのは
容易ではない
と想像するのだ。

ちなみに、スポンサーはこちらの
一覧にある通り。

ワールドワイドのパートナーと、
東京だけのパートナーとに分かれ、
後者は更にゴールドとオフィシャルに
分かれている。
更にその下に、パートナーではなく
サポーターという区分まで設けてある。

ざっと眺めて、知らない企業はほぼ
ないが、オリンピックのパートナーや
サポーターだったということを認識
していなかった企業の方がむしろ
多い位の印象。
私でさえそうなのだから、世間一般の
方々の認知は推して知るべし。

どこまで意味があるのか、
正直なところかなり疑問符の付く
オリンピックのスポンサー。
自分たちの虚栄心を満たす目的が、
お客様に貢献したい!という気持ちを
上回ってしまっている会社がある
ならば、非常に危険だと言わざるを
得ない。

オリンピックの理念と、商業主義とを
適切にバランスさせるのは、
非常に難しいと思うが、そこを是非
目指して欲しい
ものだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。