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不易流行

松尾芭蕉が説き始めたと言われる
概念として知られる、不易流行

端的に言うと、
「不易」とは、変わらないもの。
「流行」とは、変わるもの。

この二つをつなげることで
芭蕉が言わんとしたことは、
伝統=変わらないものを踏まえつつ、
新しいものを取り入れていくことが
大切である
、ということだと
言われている。

この概念は、様々なところで
何かと応用が利く。
伝統、既成、従来、過去、
そういったものにとらわれ
過ぎれば、間違いなく世の中に
置いてけぼりを食らう。
革新、未成、新規、未来、
そういったものを積極果敢に
取り入れて、世の中をリード
していく位の気構えが良い。

この言葉を思い出したきっかけ、
それは、りょかち氏の記事を
たまたま読んだこと。

「韓国っぽ」(韓国風の意味)
「インスタ映え」
といった、割と最近生まれた言葉
であっても、わずか数年、数ヶ月
経つうちに、意味合い、ニュアンス
が変わっている
ということを、
彼女の記事を読んで認識した。

なるほど、確かに「インスタ映え」
が流行語として取り上げられたのは
もう4年も前のこと。
当初はカラフル、派手な写真が
「映える」筆頭として目立って
いたが、最近では必ずしもそうした
カラフル系が「映える」扱いを受けて
いるわけではなさそうだ。

世の中のトレンドというのは、
そうやって移ろいゆくものだ。

いつまでも、過去の記憶にすがって
いると、浦島太郎になるということ
である。

こういう話を聞くとつい思い出す
のが、ネスカフェのこと。
かれこれ30年以上、
「♪ダバダー」という音楽と、
「違いが分かる男」というコピーと
共に、インスタントコーヒーの
CMを流していた。

同じコンセプト、
同じ音楽、
同じキャッチコピー。
これらの核となる部分は、
ずっと「不易」で通してつつ、
「流行」もしっかり取り入れる
ことを忘れていなかった。
時の人、旬の人を必ず主役に
据えて、「違いが分かる男」と
いう軸はブラさないまま、
今っぽさをミックスしていた
のである。

ところが、これだけ歴史のある
CMが、数年前からパタリと
止まってしまっている。
その経緯については、以下の
ITメディアオンラインの記事に
あるので、興味のある方は
是非一読いただきたい。

「不易」で通した年月が長い分、
消費者の頭の中には、強固な
イメージが根付いている。

ポジティブな面も、
ネガティブな面も、
いずれもあるだろうが、
ネスレはあえて変わる決断をした。

「不易」を続けるか、
「流行」を取るか、
二者択一ではなく、
両者のバランスを取ること
こそが肝要なわけだが、
ネスレが直面したように、
いずれかを選ぶ決断を迫られる、
そんなこともあり得る。

そういう時は、やはり目的に
立ち返るのが鉄板の解決法

なのだろう。
目的、目標を達成するために
どちらがより望ましいのかを
整理すること。

「不易」の良い点も、
「流行」の良い点も、
いずれも柔軟に取り入れて、
そもそもの目的に立ち返りつつ、
賢く、しなやかに意思決定を
していきたいものである。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。