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石ころに価値を持たせる

昨日、YAMI大学の「学園祭」に訪れた。
元々は講演目当てで伺ったのだが、
本物の学園祭宜しく、出し物を展開する
ブースがいくつもある。
折角なので、それぞれ立ち寄って、
話に花を咲かせたり、実際に体験を楽しむ
こととなった。

その中の一つ、「石花(いしはな)」
書いてあるブースでは、床に座り込んで
一生懸命に石を弄っている人がいた。
丁度他に人がいないタイミングで、
主催らしき方に話しかけ、まずは
やってみてください!となった。

「ロックバランシング」とも呼ぶらしい
「石花」は、岩や石を重ねて積み上げる
アート作品、あるいはそれを作り上げる
行為を指す。

教えてくれたのは、正にこの記事の
石花師・石花ちとく氏その人。
「簡単なので、まずやってみてください!」
というので、見よう見まねで石の上に石を
重ね、立たせてみる。

すると、1分ほどでこんな具合に石が見事に
立つではないか!

のりやテープは使っていません。純粋に石の上に石を置いてバランスを取ったのみです。

これはやってみないと分からない
感覚かもしれない。
こんな石が本当に立つのだろうか?
と思ったが、案ずるより産むが易し
本当に立つのである。

調子に乗ってもう一つ。
先ほどよりも更に細長い石を選ぶ。
すると、ほら、こんな感じで再び
成功!

右奥手にあるのが最初に成功させたもの。こちらも、のりやテープなど一切使っておりません。

自分はセンスあるのでは?!
などと調子に乗りそうだったが、
ほとんどの人が割と簡単に出来てしまう
ものらしい。

石花さん曰く、指先の感覚で、こうやると
立ちそうだ、というのが大体分かる
そうだ。
頭で考えるのではなく、指先で考える。
いや、指先で感じるのだ。

非常に興味深いロックバランシングだが、
商売にするのはなかなか難しそうだ。
こういう催し物に出ると、大抵は
「お子様お預かり所」に化すという。
子どもたちが夢中になって石と格闘して
くれるので、その間大人たちは自分の
用事を済ますことができるらしい。

それはそれで立派な価値であるが、
託児料金を取るのも難しそうだ。
それに、石自体は河原などで拾って
きたものなので、値段を付けるのが
難しいという事情もある様子。

ということで、商売にするには少々
難しいロックバランシングだが、
キャンプなどでこれを披露したら
きっとみんな興味津々になるだろう。
ちょっとしたワークショップを企画
することもアリかもしれない。

その辺に転がっている石も、
活用の仕方次第では価値を生む。
そんな事例として、この石花とは
また異なるものがある。

岩、石をペットに見立てて
飼ってみませんか?
という提案型商品
である。
もう50年近く前のアイデア商品
なので、知らない人の方が多い
かもしれない。

半年でブームが終息するまでに、
約500万個、おおよそ5,600万ドル
(6.7億円)の荒稼ぎ
というから
恐れ入る。

ある意味、「バーチャルペット」
いうことで、その後大流行した
「たまごっち」の先行事例とみなす
こともできるかもしれない。

一見無価値のものであっても、
アイデア次第では付加価値を創造
できる
事例として、大変興味深い。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。