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ナイキのD2C戦略

Amazonと楽天。
この2社が、Eコマースの日本における
二大巨頭であることに疑いはない。

いずれも、常日頃からセールをしている
印象が強いが、とりわけオフ率が高い
セールが年末、11月から12月にかけて
企画されている。

Amazonのブラックフライデーとそれに
続くサイバーマンデー、そして楽天も
ブラックフライデー、四半期に一度の
スーパーセール、そして大感謝祭と
続くのである。

これらに照準を合わせているのだろう、
今日スマホをいじっていたら、こんな
広告が飛び込んできた。

Facebookで表示された、
いわゆるディスプレイ広告である。
ブラックフライデーとサイバーマンデーが
11月の終わりに予定されているのに
先駆けて、早めに仕掛けているように
思えた
のだが、実際の狙いはどうなの
だろうか。

従来、ナイキはAmazonのような
Eコマース事業者を含む小売店経由の
売上が大半であった。
しかし、4、5年前から消費者への直販、
いわゆるD2C(Direct 2 Consumer)
重視へと舵を切った。


ナイキほどの大企業がD2Cに乗り出すに
あたっては、小売側からの反発も相当
大きかったに違いない。
ひょっとしたら、今もまだくすぶって
いるかもしれない。
それでも、消費者との直接取引を拡大
することに未来があると信じて、
障害をものともせずに戦略変更の
大鉈をふるった勇気は賞賛に値する。

この戦略変更が正解だったかどうかは、
しばらく年数を経ないと分からない
だろう。
今のところはうまく行っているという
評価だと、ニュースなどから判断して
いる。

D2Cは、DRとも呼ばれる。
Direct Responseの頭文字だ。
消費者と直接つながるということは、
消費者から直接反応が得られるという
こと。

小売店など他者を経由していては
得られなかった消費者のダイナミックな
反応を、D2Cでは思う存分得られる。
その反応を、有益な情報、「宝物」と
して捉え、様々に活用して未来を拓いて
いくための資源にするのが、戦略変更の
大きな狙いであることは間違いない。

Amazonなどの巨大小売の圧力にも
屈しないだけのブランドの力。
経営陣が、消費者の反応を直接得て、
それをマーケティング戦略に積極的に
取り込んでいこうという気概。


これら無くして、この大がかりな
戦略変更を成功に導くことは難しい
と想像する。
アディダスやアンダーアーマーと
いった競合も追随しているように
見えるこのカテゴリーで、ナイキは
キングであり続けられるのか、
興味が尽きないところである。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。