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日本酒ブランディングのお手本

「石田屋」
「二左衛門」

私は飲んだことがありませんが、
全国の日本酒ファンから垂涎の的に
なっている、レア度の極めて高い
高級日本酒
です。

その日本酒をつくっているのが、
「黒龍酒造」
福井県を流れる九頭竜川。
その「九頭竜川」の古い名前である
「黒龍川」に由来する名前
だそうです。

そんな黒龍酒造の八代目社長、
水野直人氏のインタビュー記事

『月刊致知』2024年11月号
掲載されていました。

東京の大学を出た後、
元々家業を継ぐ前提で、修行のつもりで
協和発酵工業(現協和キリン)に入社
大きな組織で酒造りをする会社で
営業現場を3、4年程経験した上で、
郷里に戻られた水野さん。

時代が変わりつつある中で、
従業員の就労環境を改善しないと、
いい酒を造ろうにも造れない

生き残りをかけて、先代である父親と
共に蔵の建て直しから取り組みました。

それと併せて、水野さんが断行した
「流通の改善」への取り組みが、
黒龍の今の発展を方向づけた
と言って
良さそうです。

具体的には何をしたのでしょうか?
該当箇所を引用してみましょう。

僕は当社に入ってから全国のお得意先をすべて見て回ったんですが、残念ながら卸した酒の品質管理がされていませんでした。ですから最初にやった営業は、お酒ではなく冷蔵庫を入れていただくことだったんです。そして、そんなのはメーカーが用意するものだとか、そんな投資はできないっていう得意先とは取り引きをやめたんです。

『致知』2024年11月号 42頁

これにより、売上は半分以下に落ちた
そうです。
それでも、あえてここで歯を食いしばり、
自社がお客様に届けたい価値を「共創」
してくれる得意先を選別
できたことが、
自社のブランドを確固たるものにする
礎となった
に違いありません。

勉強熱心な水野さんは、日本酒と似た
酒であるワインの勉強でアメリカや
フランスによく足を運び、そこで得た
学びを実際のマーケティングに生かして
いる
様子も記事からひしひしと伝わって
きました。

熟成ものへのチャレンジだったり、
オリジナルボトルを開発したりと
いったチャレンジは、海外視察での
学びから派生したもの
のようです。

それらの取り組みが、黒龍のブランドを
より高みへと引き上げている一助に
なっている
のは間違いないでしょう。

しかし、何と言っても、品質管理に
対する思いに共感し、お客様に対して
より価値ある日本酒を一緒に届けて
いこうと軌を一にしてくれるところ
以外はバッサリ切り捨てた

その勇気あふれる決断こそが、黒龍に
とり最大の転換点
だったでしょう。

お客様に対する価値を高めるという
「大義」を貫いて、ブランド自体の
価値を高めたブランディングのお手本の
ような事例
だと思い、ついご紹介したく
なった次第です。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。