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「無人化」への流れ

最寄り駅の有人定期券売場が、
営業をやめた。
東急線が、沿線の定期券売り場を
一気に複数閉めたのがこの4月末。
そのうちの一つに該当したわけだ。

駅前こそ極めて地味だが、JRとの
乗換があるため、それなりの乗降
客数を誇る駅である。
昨今のコロナ禍で、鉄道会社は
多大なる負のインパクトを受けた
業種の筆頭。
リストラを大胆に進めざるを得ない
台所事情を踏まえた措置
なのだろう
と推測される。

有人の定期券売場は、年度の変わる
4月頭に異様な混雑を見せる以外は、
ほとんどの場合利用客がいないか、
極めて少ない。
リストラ対象になるのも無理はない。
とはいえ、学生証を見せないと定期が
買えない季節がまた巡ってきた際に、
一体どんな状況が待っているのか、
一抹の不安は残る。

有人で行っていたものを、
無人化する。

この流れは、コロナ禍で促進された
面はあるにせよ、遅かれ早かれ
進んでいく運命にあったという
ことは言えるだろう。

Amazon GOがシアトルで実証実験を
始めたのはもう5年前。
その後、店舗網をじわじわと全米に
広げている。
日本でも、ここ数年で様々な実験が
重ねられ、昨年辺りからは続々と
本格的な無人店舗がオープンする
ようになっている。

今回の定期券売場は、既に券売機が
無人の定期券売場として機能している
ため、今後の課題は明らかだ。
すなわち、学生定期などの有人による
イレギュラー対応が必要なものを、
どのように取り扱うか決断し、その
対応に必要な仕組みないしインフラを
整えるだけ
だろう。

現状、既に携帯電話ひとつで定期券を
買うインフラも整っている。
比較的、無人化のしやすいケースで
あると評価できそうでもあり、
実はもっと早くやっておくべきだった
のではないか、そんな感慨も湧く。

何でもかんでも無人がいいかと
言えば、それはまた違う話。
人と人とのコミュニケーション、
心温まるやり取りというのが、
サービスの根幹をなしている
業種、業態も当然ながら存在する。

飲食業で考えれば、ファストフード
やファミリーレストランといった
ところは、出来るだけ無人化の方へ
舵を切るだろう。
これに対して、味でガチ勝負したり、
女将さんの気配りや器量で勝負する
など、お客様の飲食体験を売りにする
ところは、有人ならではのサービスの
あり方をより一層高めていくことで
生き残りを図る
ことになるはずだ。

ということで、無人化できる業種で
徹底した無人化が進めば進むほど、
有人であることを売りにした業種、
業態もまた、にぎわうチャンスを
得る
のではないか。
極めてローカルなトピックから、
そんなことを考えたのだった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。