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sonae ウィルバリア を試してみた

郵便ポストに、小さな箱が入っていた。
宛先は妻。
送り主は花王。
どうもサンプリング企画に当選した
様子だ。

送られてきたのは、
sonae(そなえ)というブランドの
「ウィルバリア ホットエッセンス」
なる商品。

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さて、一見してこの商品が何を売りに
しているか分かるだろうか?

ブランド名は、「sonae(そなえ)」。
何かに「備える」というところに由来
する名前だと、パッと見て、聞いて
すぐに分かる。
ブランドサイトにあるムービーを観ると、
狙っているところがより一層分かり
やすい。
中学、高校、大学などの入試や試験、
ピアノなどのお稽古ごとの発表会、
スポーツなどの試合、
そういった晴れ舞台に「備える」と
いうことだ。

商品名は、「ウィルバリア」の
「ホットエッセンス」。
後者は、温かい濃い飲み物の意味。
前者が何を意味するかがカギだ。
あくまで推測だが「ウィル」は
ウィルスのことで、ウィルスを
防ぐバリアのような役割を果たして
ほしい、そのような意味を消費者に
想起させたい、というのが由来では
なかろうか。
薬機法等の法規制上、あまり大胆な
ことは言えないので、ブランド名も
商品名も、あくまで「イメージ」が
何となく伝わる程度にとどめざるを
得なくなっている、そんな匂いを
感じ取った。

キャッチコピーは、
「がんばるあなたのそばに」。
がんばった成果が、思う通りに出せる
よう、しっかり「備え」てほしい、
存分に力を発揮してほしい、そういう
ブランドの思いをサイトで表現して
いる。

思いは分かった。
では、具体的に何をしてくれることで
「備え」ようというのだろうか?
パッケージに書いてあることを
ひも解きつつ、実際に商品を試して
みた。

商品はカテキン粉末で、少量のお湯で
溶かして飲用するものだ。
商品名の前に、
「のどごしトロ~リ」
とある通り、少しとろみのある液体
を味わう。
実際、40mlというお湯は本当に少なく、
あっという間に沸かせる。

「トロ~リ」とまではいかないが、
やや粘性のある液体が出来上がった。
温度的には熱燗のような感じ。
メントールが入っており、飲もうと
した瞬間に目に刺激が走った。
油断してグラスに顔を近づけると、
少々危険である。

そうやって、少量の液体をちびちびと
飲んでみる。
味は「柑橘風味」とある通りで、
レモンの風味に近いが、カテキンが
含有されている特有の濃さも同時に
感じられる。
濃いめの緑茶飲料に特有の、苦みの
ような味わいである。

この味わい方を、パッケージでは
「温かなとろみカテキンが
 じんわり行き渡る」
と表現している。
のどにカテキンがゆっくりと覆い
かぶさるようなイメージを伝える
ことで、何となくウィルスから
のどを守ってくれそう、そんな
ところを狙っての表現かもしれない、
あくまでも推測に過ぎないが。


この「ホットエッセンス」以外にも、
・炭酸ウォータリングタブレット
・スチームアロマカップ
というラインナップがあるようだ。

あくまでも個人的な感想として、
あえて言わせてもらうと、
これってどれだけ需要があるか、
大いに疑問に思わざるを得ない。
天下の花王が上市する商品なので、
間違いなくしっかりと消費者調査を
経た上で、「需要あり」「勝機あり」
との決断をしたから発売開始された
ものだとは思うのだが、
名前で効果効能を想起させようと
しつつ、実際は薬でもなんでもない
ので曖昧な表現しか広告で使えない
ことがかなり足を引っ張る。

確かに、ブランドの思いや良し!
ではあるものの、その思いを実現する
商品が単なる清涼飲料水や炭酸発砲
タブレットでは、訴求している
ベネフィットと実物との間にかなり
大きな隔たりを感じざるを得ない。

例えばコーラだったら
「飲む → 爽快!」
ペヤングの大盛焼きそばだと、
「食べる → 満腹!」
のような分かりやすいベネフィットの
方が消費者には刺さりやすいはずだが、
ウィルバリアに関しては、
「飲む → 目標達成への備え完了!」
ということだろうと思われ、非常に
分かりにくい。

命名の由来が、私の推測通り
「ウィルス」から「バリア」で守る
ということなのかどうかは分からない。
仮にそうだとして、残念ながら
「ウィル」(意思)を「バリア」(邪魔)
する商品になってしまった気がして
ならない。
勇気を持って「出さない」選択を
した方が良かったのではないかと
思う商品であった。

予想に反して、コロナ禍のご時世と
いうこともあり、メチャクチャ
大ヒットを飛ばしたりしたら、
残念ながら私の目が節穴だったと
いうこと。
そうでない自信はあるが、コロナ禍の
ご時世、何が起こるか分からない。
注視しておこうと思う。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。