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「名古屋丼」はブランド化できるか

タイやベトナムといった東南アジアで
食べられているカレー
は、唐辛子が
かなり効いていながら、ココナッツ
ミルクを使ってまろやかに仕上がって
いるイメージがある。

タイ料理店やベトナム料理店に
足を運ばないと、この手のカレーに
ありつくのは難しかったが、
今ではレトルトで割と手軽に食べる
ことができる。

そんな「タイカレー」のレトルトを、
以前にいただいて食べたことがある。
ヤマモリという、三重県にある老舗
食品メーカー
が発売元。

今調べてみたら、結構な種類が出て
おり、Amazonでは10品セットを
推奨しているほど。

これを、レトルトと侮るなかれ
極めて本格的で美味しいのだ。
実際、近所のスーパーでも取り扱いが
あるので、リピートしたこともある。

そのヤマモリが、3月8日付の日経MJ
(元ネタは2月13日の日経本紙)

取り上げられており、思わず記事を
読み込んでしまった。

「名古屋丼」狙うブランド化
というタイトルの付いた記事で、
外部出身の社長が旗を振り、
「名古屋丼」と称するレトルト丼
シリーズをブランド化するべく、
商品の拡充を進めている
との内容。

「名古屋丼」とは聞き慣れない。
具体的には、名古屋がブームの
きっかけを作った台湾ラーメンの
お店で出している「台湾丼」や、
名古屋名物のどて煮(牛スジや
ホルモンを甘辛く煮込んだもの)
を使った「どて丼」を指すようだ。

同社は、レトルト市場においては
実質的に1割程度のシェア
を有して
いるらしい。
にもかかわらず、会社名がそれほど
有名でないのは、OEM生産の割合が
大きいため。

OEMが主力では、どうしても利幅が
薄い

向かい風が吹きまくっている食品
業界にあって、生き残りをかける
形で、自社商品のブランド化を推進

したいという事情のようだ。

ブランド化が成功すれば、価格の
コントロール
が効きやすくなり、
収益性を一気に向上できる。

OEMが主力のままでは、どうしても
価格の面で交渉力が弱くなり、
工場は動いているが利益がなかなか
上がらないという状況に陥ることも
多い。

広告代理店からメーカーに移った
社長は、社内で「黒船」と揶揄され
ながらも、商品開発から広告に至る
まで、一気通貫
で「名古屋丼」の
ブランド浸透に向け采配を振るう。

大阪の「551蓬莱」
横浜の「崎陽軒」

これらに対抗できるくらい、
名古屋の「名古屋丼」という名前が
市場でブランドとして認知される
ようにする。

そんな大きな野望に向け、
戦国時代の三英傑、
即ち信長、秀吉、家康をCMに起用

前職(広告代理店)で、安く使える
ことを知っていたそうで、
戦略の部分から、個別具体的な戦術に
至るまで、社長自らこまめに動いて
いる様子が伝わってくる。

実力派の食品メーカー・ヤマモリの
今後の変化に期待が高まる。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。