「とろっ豆」は何と読む?
パック入り納豆の市場というのは、
近年かなり伸びているらしい。
2021年こそ、前年比割れだったものの、
市場はコンスタントに拡大基調。
コロナ禍で需要増となり、その反動で
一次的にマイナスになっただけと見て
良さそうだ。
この成長を支えているのは、
一つには「発酵食品」が健康に良いことが
消費者の中に浸透し、その代表格とも言える
納豆も恩恵にあずかっているという点が
挙げられるだろう。
そして、納豆を市場に送り出している各社の
商品開発力、市場対応力といったところも
大いに寄与しているのではないか、
そんな風に感じている。
市場シェアでトップを走るのは、
「おかめ納豆」で有名なタカノフーズ。
彼らは納豆市場自体をPRするサイトを
開設し、啓発活動に余念がない。
市場が拡大したときに、最も恩恵を受けるのが
自分たちになるということから、
市場自体を拡大するPR活動を行うというのは
No.1ブランドの鉄則といっても良い。
それを猛追するのがミツカン。
私が個人的に好きな「くめ納豆」という
ブランドがあるのだが、
これを数年前に会社ごと買収して傘下に収め、
シナジーを図っているようである。
そのミツカンの主力納豆ブランドが、
『金のつぶ』である。
中でも、『とろっ豆』は、市場の中で
売れ筋ランキングトップ3にランクイン
している人気商品である。
この商品、皆さんはちゃんと読めるだろうか?
「とろっとう」?
「とろっまめ」?
前者の方が、日本語としては発音しやすい。
後者は、イタリア語の「タリアテッレ」が
発音しにくいのと一緒で、小さい「っ」の
直後がスムーズに読めない。
それゆえ、勝手に前者が正しいものと
長らく思い込んでいた。
しかしながら、正しい読み方は後者、
「とろっまめ」が正解なのである。
さて、そんな『とろっ豆』であるが、
大きな特徴が「パキッ!とたれ」という
たれの投入方法だ。
納豆の上に別添えのたれが付いているのが
マジョリティであるところ、
容器のふたをパキッ!と割るだけで、
手を汚さずにたれの投入が完了するという
画期的な仕組みなのだ。
まぁ、解説しなくても多くの人がご存知だと
思うが、念のため説明をした。
その「パキッ!とたれ」のところに、
なぜか「パキッ!と占い」なるコンテンツを
展開しているのを今朝発見。
一体この占いは、何が目的なのだろう?
職業柄、つい余計なことを考えてしまう。
納豆に占いが載っていることで、
「よし、この納豆買ってみよう!」
などとなることは考えにくい。
3パックを包んでいるフィルム上にも、
そこまで占いのことを強調していた
記憶はない。
やはり、リピーターのお客様が多いことを
前提に、愛着度をより一層増してもらう
ための施策なのだろう。
ポジティブな占い結果を中心に見せて、
その日を良い気分で過ごしてもらう。
そうすることで、
『とろっ豆』や「パキッ!とたれ」の
良い印象を持続させようという意図で
あろう。
納豆、あるいは「パキッ!とたれ」を
販売促進する上で、
それが占いであることの必然性、
関連性が一瞬理解できず、
ついモヤモヤとしてしまった。
しかし、普通の消費者、特に主婦の方々
であれば、占いコンテンツは根強い人気が
あるし、よほど「凶」ばかり出るような
ことさえ避ければ嫌われるリスクも少ない
とも考えられる。
今後、他の販促やコミュニケーションにも
このスペースが使われるかもしれない。
いずれにしても、恐らくはリピート顧客に
喜んでもらえるような内容にしていくの
だろう。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。