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ラーメン屋で「蟻の一穴」を思う

神保町というと、まず真っ先に思い浮かぶのは
「古本屋」の街であることだ。
学生だった30年近く前、先輩に教わってから
この街をウロウロすることが増えた。

「古本屋」以外には、「カレー」の街という
イメージもあるかもしれない。
事実、そんなイメージ資産を活用して、
「神田カレーグランプリ」
というものが開かれている。

神保町は、山手線の神田駅からはかなり
離れているものの、ギリギリ神田と
呼ばれる街の範囲内。
ボンディ、共栄堂、ガヴィアル、、、
昔からカレーの名店が多いことで有名だ。

そんな神保町だが、社会人になってからも、
素敵な焼鳥屋さんにお邪魔したり、
仕事で某出版社さんを訪ねたり、
頻繁ではないものの時折ふらっと立ち寄る
ことがあり、ご縁を感じる街である。

隣駅の九段下が、歩いて5~10分圏内という
ことに気付き、以前に靖国神社へ出かけた
ついでに神保町の方まで歩き、
散策したこともあった。

そんな神保町・九段下界隈は、レベルの
高いラーメン店がかなり密集している
「ラーメンの街」でもある。
既に訪問した名店としては、
・神保町黒須
・勝本

を筆頭に、他にもいくつかあるのだが、
以前から名前だけは聞いていた
この名店に訪問できていなかった。

食べログ百名店2020にも選出されていた
「八咫烏」に、先日、仕事の合間で
人も少ない時間帯にサクッと立ち寄る
ことに成功。
最初の写真にあるシルバープレートに
漢字で書かれた店名が、なかなかクール。
いやがうえにも期待が高まる。

入口の券売機でチケットを買う仕組み。
「白」と「黒」に分かれていたが、
その日の気分は「黒」、醤油ベースの
スープである。
その「黒」に、トッピングが一通り全部
盛ってある特撰ラーメン、1,150円也を
いただいた。
(食べログにある価格は古いようなので
ご注意を。)

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この麺、どこかで食べたことがある・・
それもそのはず、厨房に置いてあった
麺置きトレイに「キング製麺」の文字が。
以前に訪れた、塩ラーメンの名店、
王子の「キング製麺」
で仕入れた
ものを使っているのだ。

麺だけでなく、トッピングはどれも
クオリティ高い。
チャーシューも、煮卵も、ワンタンも、
満足いく味わい。

そして醤油ベースのスープも、
色の割にあっさりしつつ、
滋味を感じるもので、さすがの
人気店だと思わせるものだった。

ただ、唯一、そして致命的なマイナスが、
スープの温度である。
ぬる過ぎた。
火傷しないという意味ではいいかも
しれないが、いかんせん期待に胸躍る
一口目でこの「ぬるさ」を感じてしまい、
期待がひゅるひゅると音を立てて萎んで
いったのである。

結局、麺やトッピングの味で多少気分を
持ち直し、しっかり完食したものの、
また来たいか?と問われると、他にも
沢山訪問してみたいお店がある中で
あえて選ぶことはないだろう。

そう考えると、商売って厳しいな、
などと改めて思う。
「一期一会」なのである。
一度手を抜くと、それが場合によっては
「蟻の一穴」になり得る
のである。

自分自身の商売、仕事に対する警鐘と
捉え、一つひとつ丁寧に向き合っていく
べきことを、改めて意識
することと
なった。
ラーメン一杯で少々大げさに過ぎる
かもしれないが、学びとしてここに
記しておく。だきたい。



己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。