見出し画像

PDCAの早回しをビルトインする

昨日のエントリーで紹介した、
社会起業家のプラットフォームを
構築、運営している経営者、
田口一成さん@ボーダレスグループ
の本を読んでの感想の続き。

ボーダレスで挑戦されていること、
それは、基本的には一般企業の
それと変わらない。
いかに、目的を達成するために
戦略を練り上げ、それに基づく
具体的な戦術を実行するか。
そして、PDCAを回しながら、
目的に向かって進んでいくこと。

どこが最も違うのかと言えば、
それは、社会的な課題を解決する
という「目的」に特化している

いうこと。
一般企業は、必ずしも社会課題に
取り組んでいるとは限らない。
ひたすら金儲けしたい!という
企業もあれば、非常に個人的な
課題に取り組んでいる企業もある
だろう。

ボーダレスグループが解決を志す
社会課題には、貧困の問題が多いが、
それ以外にもフードロス、ゴミ問題、
児童労働、地球温暖化など、様々な
ものが含まれる。

通常の市場経済に任せていたら、
言い換えれば「効率」がルールの
世界で競争していたら、どんなに
頑張っても取り残される問題。
そんな問題をいかに解決するか。
「非効率」であってもビジネスが
成り立つようにデザインできるか。
そこに挑戦しているのである。

本書を読んで、田口さんの優れた
ところは色々と指摘できるが、
一番すごいなと思ったところは
その壮大なビジョンである。
タイトルに表れている通り、
「9割の社会問題」を解決する
ために、ビジネスを手段として
割り切って、ひたすら社会問題を
解決して解決して解決しまくる!
という、実行力を伴った強い意志、
ビジョンこそが、多くの追随者を
生む最大の要因だと思う。

そして、それと同じ位すごいなと
思うのは、PDCAの早回しである。
PDCAは既に古く、今はDCAPだ!
とか、いやいやOODAループだ!
といった百家争鳴な状況にあるのは
過去にもここで触れたことがある。

これ以外にも、PDCAの話は頻出で
あり、ビジネスの世界ではとかく
よく出てくる必須概念ゆえに、
何かと取り上げることも多かった。

それはさておき、田口さんの
PDCAは、そう簡単には真似できない。
逆に、真似できれば、ビジネスの達人
と評価することが可能かもしれない。

とにかく、小さな「仕組み」を構築
しては、それが上手く行くかどうか
繰り返しテストする。

上手く行ったらまたそこから小さな
進化を付け加える。
上手く行かなければ別の方法を
試してみる。
ひたすらその繰り返し。

こうしたテストの繰り返しを、
明確かつ崇高なビジョンの下で、
愚直に行う。
行い続ける。


その具体的な事例は、
実際に本を手に取って、あるいは
Kindleで読んでいただければと
思うが、ある意味「当たり前」の
ことを愚直に繰り返し、
ひたすら継続している姿を
見ることができる。
その背後に、火傷しそうなほど
熱いパッションがなければ、
到底続けることはできない
のではないか。

PDCAを回すのは当たり前。
そのビルトインを試みるのも
当たり前。
しかし、PDCAをビルトインして、
それを高速で回していくのは、
実は全くもって当たり前では
ない。

だから差がつく。
注目される。
成功へと近付きやすくなる。

身近に、解決したいと思える
社会問題が転がっている人は、
田口さんのビジョンに乗って、
そのプラットフォームに乗って、
チャレンジしてみたくなること
請け合いだ。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。