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消費シーンを拡大する提案

日経MJの2023年ヒット商品番付から
話題の商品をピックアップして紹介
する記事の第三弾
東前頭四枚目に入っているのが、
丸亀製麺「丸亀シェイクうどん」だ。

カップに入ったうどんと具材をシェイク
して食べる
という、これまでにない
新しいスタイルのうどんである。

こちらの商品も、12月13日付の記事
「ヒット商品番付 着眼点に迫る㊦」
にて、開発に携わった丸亀製麺の
マーケティング本部長・南雲氏への
インタビューが掲載されていた。

元々は、新業態のドライブスルー向けに
開発
された商品。
車内のドリンクホルダーに収まる商品を、
同社の山口社長が思い付き、
今年の新年早々に試作。

絶対にうけるという確信を持つと共に、
ドライブスルーだけではもったいない!
そんな思いから全国展開を模索

箸でうどんと具材を混ぜるよりも、
いっそのことシェイクした方が、
良く混ざるし楽しい!

そんな議論にまで発展し、
コンセプトが磨かれていった。

しかし、そんな社内での議論の過程で、
だしが漏れたら危険だとか、
本格派イメージに傷がつくとか、
様々な反対意見も出たという。

そんな反対意見が多いほど、
山口社長と南雲氏は、新しい体験価値を
提供できる
ということで「燃えました」
と振り返る。

最適な容器の開発に苦労するも、
最終的には
・だしが漏れない
・具材と麵が混ざりやすい
・うどんのたっぷり感が出る
といった要件を満足させるものに
落ち着いた

この商品は、若い世代、特に女性層を開拓
する役割
をも果たしている。
若い女性層を、新たにターゲットとして
取り込むことは、同社の大きな課題。

食べ方の新しさに加え、
メニューそのものも目新しいもの
攻めた。

夏には
『極冷 凍らせ塩レモンぶっかけうどん』
秋には
『こくうま玉子のカルボナーラうどん』
といった若者うけしそうな商品を投入。

販促でも、TVCMで若い世代を意識した
作り込み
を行い、SNSにおける拡散にも
抜かりなく取り組んだ。

冬場は一旦販売休止しているが、
また春先に新商品を含めて再投入
行うことが見込まれる。

うどんは、通常は家で食べたり、
うどん屋さんの店頭で食べる。
お弁当にして職場なり車内なりで
食べるというシーンは考えにくい

ところである。

まずはそこを打ち破るために、
ドライブスルーで買っても
車内でサッと置けて便利なカップ
入りを考案したところが秀逸
だ。

更に、カップ入りにしたときに
不便なポイントを一つひとつ
丁寧に潰し、商品としての完成度を
高めていった
ことで、いざ市場に
出した際に大きなヒットを飛ばす
ことができたのだと思われる。

新しい食べ方、消費の仕方を提案
しても、お客様にとって価値のある
内容でない限り、見向きもされない

その点、「丸亀シェイクうどん」
見事に新しい価値提案を創出した
事例と言って良いだろう。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。