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ブランドを保ち続けるのは楽ではない

主催するマーケティングのセミナーで、
「Product」を題材に話をする際、
よく帝国ホテルの話を引き合いに出す。
リッツカールトンホテルや、加賀屋と
いった競合の話と併せ、彼らがいかに
その「Product」たるサービスを磨きに
磨いているかを説明するのである。

加賀屋といえば、「陰膳」のエピソード

リッツといえば、プロポーズのエピソード

そして、帝国ホテルといえば、
キアヌ・リーブスのエピソードである。

そんな帝国ホテル。
立地の良さや、部屋のキレイさ、
レストランの美味しさ等、
帝国ホテルに引けを取らないホテルは
沢山ある。
それでも帝国ホテルが愛され続ける、
選ばれ続ける理由は、そのホスピタリティ
にあるのだと考えている。

先日、その帝国ホテルでお世話になる
機会があった。
定期的に利用する機会があり、
いつもそのサービスレベルの高さ、
そして安定度合いに感心することが
多かった
のだが、今回は少し疑問符が
付いた。

私だけがそう感じたのなら、
本当に偶然で片付けて良かったのだが、
私以外のメンバーも複数、サービスの
質の低下を疑う体験をしたとあっては、
放っては置けない。
長年お世話になっているご縁もある
ので、すぐに具体的な問題点を指摘
させてもらい、善後策を講じた方が
良いのではないかという、いささか
お節介な物言いをしたのであった。

いかにも新人風な接客係による対応に
少々不備があったことは、教育途上に
あるがゆえ、多少目をつぶらなければ
ならないことは理解する。
とはいえ、お客様の側からすれば、
スタッフが新人であろうとなかろうと
基本的には関係ないし、見分けがつく
目の肥えた客ばかりとは限らない以上、
常にスキなく対応するのが望ましい。


また、コロナ禍のご時世、安定的に
スタッフを常駐させること自体が
難しいであろう状況下で、教育の
行き届いたスタッフばかりが現場に
張り付いていられるとは限らない
ことも容易に推測できるところ。
それでも、「帝国ホテル」という
強力なブランドを維持するためには、
サービスレベルの低下を看過すべき
ではない。


ブランドたるもの、
何時でも、
何処でも、
誰とでも、

常に安定的に高いサービス品質を
保ち続けることが求められる、
ブランドとしての宿命を負っている。

ブランドに求められるのは、
「一貫性」である。

常に、一貫して、ブレのない
姿を示し続ける必要がある。


愛すべき帝国ホテルに、
これまで蓄積されてきた
高いレベルの「一貫性」を
これからも保ち続けて欲しい。
その一心で、苦言を呈したのである。

あえて苦言を呈する気持ちが
残っているうちは、
帝国ホテルのブランド力が依然
として力を持っている裏返し。
そのような熱意が、万が一にもなくなる
ような時が、永遠に来ないことを祈る。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。