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振り切るときはトコトン振り切る

「薬飲んで、寝ろ。」
写真にあるヒーロー(?)の
決め台詞だ。
その名は、
「薬剤戦師オーガマン」
福岡県が地元の大賀薬局、
その代表取締役社長である
大賀崇浩氏が変身した姿、
だとのこと。
かなり振り切った企画に、
思わず反応してしまった。

大賀薬局は、調剤薬局メインで
100店舗ほど展開している。
地元である福岡県を中心に
ドミナント展開をしている
「地場」の薬局だ。
化粧品や日用品なども扱う
ドラッグストア業態もある
ようだが、そちらの数は20店
ほどとやや少なめ。

その大賀薬局の社長が、
Webサイトによると
「持ち前の正義感とポケット
 マネーでヒーロースーツを開発」
「残薬問題に立ち上がった」
のだという。

残薬問題というのは、
「もう治ったみたいだから全部
 飲まなくてもいいんじゃね?」
という消費者の自主判断で
引き出しの奥底にしまい込まれ、
結局飲まずに廃棄される薬が
年間500億円相当にものぼる
という問題、らしい。

「薬育」に取り組む正義の味方、
ということで、相当手の込んだ
クリエイティブを展開していて
驚いた。
戦闘スーツの個々のパーツも全て
名前が付き、その機能説明も
抜かりない。

こうしたスーパー戦隊ヒーローを
模している以上、ターゲットに
しているのは子どもだろう。
あるいは、そういうヒーローに
ノスタルジーを抱く親世代。
親世代も、子どもがいれば何らかの
反応をするだろうが、子どもが
いない大人だとほぼドン引きされる
可能性が高い気がする。

Webサイトにある文章を読んでいたら、
このようなキャラクターを創り出した
その意図がしっかりと書かれていた。
すなわち、
「薬剤師の役割の大切さを知って
 もらいたいこと」
ならびに、
「皆さんが適切にお薬を飲んで長く
 健康で過ごして頂きたいこと」
とのことである。

子どもたちをフックにして、
キャラクターの存在を、
親を含む家庭全体に認知させ、
家庭の中で薬のこと、薬剤師のこと
などを話すきっかけを作るという
意味では、なかなか良い企画だと思う。

何より、一見すると「バカバカしい」
このアイデアを、真正面から結構な
お金と時間と手間をかけてここまで
本格的に作り込んでいる、
その振り切った姿勢に、
社長の本気度を感じられるところが
素晴らしい。

振り切るのであれば、トコトン
振り切ってしまう。
これを、中途半端に、恥ずかしさが
少しにじみ出ているような形で展開
していたら、きっと目も当てられない
に違いない。
完全に振り切って、世界観を統一し、
「ここまでやるか?!」
という位になれば、どんなに
くだらなかろうが一目置いてくれる
人が必ず出て来る。
応援するサポーターが現れる。
そんなことを感じる企画。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。