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実例で見る!ドローン空撮のヒント「離陸場所選びが成功への第1歩」


ドローン空撮は最近注目されており、動画制作に挑戦する人も増えています。
しかし、ドローン空撮は簡単ではありません。
特に、本社や店舗、施設などの空撮動画を撮影する際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
本記事では、ドローン空撮の成功のために、国立循環器病研究センターのドローン空撮事例を紹介します。具体的には、発注者が押さえるべき重要なポイントについて解説します。ドローン空撮に興味がある方や、成功するためのポイントを知りたい方はぜひチェックしてください。

ドローン空撮する前に確認すること

ドローン空撮する場所は、はたしてドローンを飛ばせるエリアなのか?

まずドローン空撮をしようと考えたときに、撮影対象の建物や店舗、施設など撮影場所がドローン空撮ができる場所なのか?を考慮するところから始まります。

「ドローンを飛ばして良い場所」「飛行許可が必要な場所」「飛行禁止エリア」などがあり、具体的に解説するとドローンを飛ばせる場所とは「上空150m未満」「空港やその周辺以外」「人口集中地区以外(都市部はほぼこれに抵触する)」「国の重要施設とその周辺以外」「自治体が管理する公園以外」「他人の私有地以外」の場所となり、無許可でドローン空撮ができる場所はほぼないと言えます。

ドローン空撮の障壁になる施設や環境

ではドローン空撮はほぼ無理なのか?というと「飛行許可を取ればOK」という場合が一般的で、空港周辺でも許可下りれば可能だったり、人口集中地区でもDID地区での飛行許可を持っているパイロットであれば撮影は可能です。

依頼者としては発注するドローン空撮実施者に撮影場所の住所や撮ってほしい内容伝え、ドローン空撮可能かどうか判断を仰ぐのが手っ取り早い方法です。

実例) 国立循環器病研究センターのドローン空撮


今回、実施した国立循環器病研究センターの場合、ドローン空撮で懸念される事項として「人口集中地区内」「病院施設であること」「鉄道が隣接する施設であること」「建物が敷地いっぱいに建てられ駐車場などの空地がほとんどない」ことがあげられます。

私が飛行させる場合、二等無人航空機操縦士の資格を有し、かつ国交省への年間包括申請で多くの場所での許可を事前申請しているため「人口集中地区内での飛行」や「病院施設での飛行」(前出ブログ「学校や病院のドローン空撮に特別な許可が必要なこと知っていますか?」)
などの条件はクリアでき、あと「鉄道が隣接する施設であること」などの環境条件をどうクリアするかが課題でした。

ドローン空撮を考えるとき、「こんなスケールが大きな映像があればなぁ」とか「街の全景から本社ビルが見えてくるような映像が冒頭にほしい」あるいは「自分の店舗(施設)の全景を撮ってほしい」など希望の映像をドローン空撮実施者に伝え、それを必ず撮ってもらうのをゴール(空撮の成功)とします。

国立循環器病研究センターの場合、「病院施設の全景(鉄道に隣接していない北西から撮影)」「北側に建つニプロや南西に建つ吹田市民病院なども撮ってほしい」というもの、そして何より考慮しないといけないのが「国立循環器病研究センターの正面が南東に隣接した鉄道施設側にあり、南東方向からの施設全景も撮って欲しい」という要望を叶えなければならないという依頼でした。


ドローン空撮に欠かせないロケハン(現場下見)

なぜ事前にロケハンが必要なのか?

ドローン空撮する場合、机上では「こんな映像が撮れるはず」と頭の中で想像はするものの、実際には建物の状況や周りの環境から、希望通りのドローン空撮は難しいと思われる依頼が多いのが実情です。

そこで、なるべく希望のドローン空撮を叶えるために事前の現場下見(ロケハン)はドローン空撮成功への第1歩と言えます。

国立循環器病研究センターの場合、 地図上を見ただけでも「建物が敷地いっぱいに建てられ駐車場などの空地がほとんどない」ことから敷地内からの建物全景はほぼ不可能と考えられました。
そこでロケハンでは「北西からの建物全景が撮れること」「隣接する鉄道線路側から建物全景が撮れること」などを実現出来るか?を
主眼に現場下見を行いました。

ロケハン時に確認すべきこと

ロケハン時に確認すべき事で最も大切なことは「ドローン機体がGPS信号を充分キャッチ出来るか?」「機体と送信機間で電波を遮る建物はないか?」などドローン機体のハード的な問題点を検証することにあります。

よって、離陸場所にドローンと送信機を持ち込み、電波状況を確認することが大切です。そしてもう一つ、ロケハン時に確認することは希望する空撮映像を撮るためにどこから撮ればいいのか?それを検証することにあります。

国立循環器病研究センターの場合、どんなに高度を上げても敷地内からの建物全景を撮ることは不可能で、その為にある程度、建物から離れた場所からドローンを上げられるよう最適な離陸場所を見つけることがロケハン時の課題でもありました。
今回は運良く、国立循環器病研究センターの屋上ヘリポートから付近の全景が見渡せたため課題克服のための離陸場所を探すのにとても役立ちました。

「課題1」北西側からの建物全景(裏面)を撮る

国立循環器病研究センターの裏面は左右400mあまり地上10階の横長の建物です。
そこで建物から北西方向へ4~500m離れ、高度80mから120m、ドローンのカメラの焦点距離14mm~42mmで撮影すれば綺麗な全景が撮れるはずと北西に500mほど離れた某運輸会社の駐車場から離陸出来ないか?と依頼者から運輸会社に交渉してもらいました。



「課題2」鉄道線路に隣接した南東側からの建物全景(正面)を撮る

ドローンは鉄道や高速道路(幹線道路)など、万が一、ドローンが墜落した場合に甚大な被害が予想される上空の飛行は禁止されています。

今回の国立循環器病研究センタードローン空撮では裏面全景と同様、正面全景を撮るために、JR京都線南東側にもう1か所、離陸場所を見つける必要がありました。病院建物から南東方向へ500mほど離れた離陸場所はないか?と
病院の屋上ヘリポートから見渡したところ、400mほど南東にパチンコ施設の屋上駐車場がありました。

平日午前中にはほとんど駐車車両もないことを見つけ、こちらも依頼者からアミューズメント施設に交渉してもらいました。
(またJR京都線の線路が20路線以上あり線路幅が100m超あることかり、ドローンを鉄道上空を飛ばすことが禁止されているため
病院施設の正面全景を撮るには、どうしても鉄道の南東側から離陸出来る場所を確保することが絶対条件でもあったのです)



ドローン空撮本番までに準備すること(天気判断)

ドローン空撮が通常の動画撮影と違うのは、天候の影響をモロに受けることです。

ドローン空撮する場合、快晴、無風が最高の状態ですが、ドローン空撮の実施日は事前に決めておくことが必須です。
また実施日が近づけば数日前(空撮実施者によります)、遅くとも前日までに「この日に行う」と依頼者に天気を判断してもらい確定をだしてもらう事が求められます。

またドローン空撮の場合、5m/毎秒以上の風が吹くときは飛行中止が推奨されるため風の強さも事前に見極める必要があります。週間天気予報や前日天気予報を睨みながら実施者と連絡を取り合い、実施日を決めます。

今日では都市部でのドローン空撮ではドローン操縦者に加えて補助者がサポート業務をすることが義務づけられています。
補助者は目視でドローンの行方を追い、万が一、操縦者が機体を見失っても助言出来る体制を取ります
また、離着陸時など、歩行者や車両がドローンに近づいていないか?安全確保も補助者の大切な役割です。
そのため、事前に補助者を確保しておくためにも、ドローン空撮実施日を事前に確定する事が求められます。

ドローン空撮に立ち会う際のポイント

必要なカットが撮れているか?ドローン空撮実施中の確認作業 

実際にドローン空撮が始まってしまえば、ドローン操縦者はドローンの操縦をしつつ、撮影するカットをモニター上で確認しています。
離陸時にはドローンから幾分離れていても、上空にあがってからは操縦者のモニターを後ろから盗み見る様にして希望の空撮映像が撮れているか?
確認してください(飛行前に「操縦時に後ろからモニターを覗いても良いですか?」と一声かけるとだいたいOKしてくれます。
操縦者のモニターとは別に、依頼者用の確認モニターを出してくれる業者もいますが、わたしは動きが制限されるため、送信機に設置された
空撮モニターを見てもらうようにしています)



実例) 国立循環器病研究センターのドローン空撮

天気判断で当初予定よりも1週間遅く実施した国立循環器病研究センターのドローン空撮、当日は10時に集合し離陸ポイント①(某運輸会社の駐車場)へ移動、病院の北西側全景などおよそ1時間かけて2本のドローン空撮(各10分)を実施、
その後、JR京都線の線路をへだてて離陸ポイント②(パチンコ店の屋上駐車場)へ移動、こちらもおよそ1時間かけて2本のドローン空撮で病院施設正面(南東向き)全景などを撮影、無事にミッションコンプリートしました。


運送会社駐車場からの離陸
国立循環器病研究センターのドローン空撮
パチンコ店屋上からの離陸
線路南側からの国循ドローン空撮
線路南側からの国循全景

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まとめ

この記事では実際のドローン撮影にあたって何を準備し、どの様なロケハンをすれば素晴らしいドローン空撮が実施できるか?
より具体的な内容に沿って解説いたしました。

自分の建物敷地のみでドローン空撮をおこなっても建物(施設や店舗など)の上部のみが強調され、希望通りの映像はなかなか撮れません。
建物の撮りたい面から少なくとも相応の距離はなれた場所で改めて離陸許可を取る事の必要性が理解いただけたかと思います。

その為にもドローン空撮で撮りたいカットをイメージして、ドローン空撮実施者へ相談する。そして事前にロケハンをおこない、理想のカットが撮れそうな場所(空き地や駐車場などドローンが安全に離着陸できる開けた場所)
の使用許可を取っておくことが、ドローン空撮成功への第1歩と言えます。

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