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【感想】小説家になって億を稼ごう

こんにちは。
パインブックです。
今回は、こちら「小説家になって億を稼ごう」(松岡圭祐)を読んだので、感想を書いていきます!

前回の記事では、
【感想】漫画原作で印税1億円を稼ぐ方法: あなたのビジネス経験がお金に変わる!|パインブック🍍|note
上記の本を紹介しましたが、今回の本もちょっとタイトルが似ていますねwたまたまなんですれども。
もっというと、私がジャンププラス原作大賞に投稿した
「ケンカ上場!!」あらすじ|パインブック🍍|note
こちらも、株式上場して億を稼ごうというストーリーなので、発想というか、読者へ興味を持ってもらおうというフックの発想が似てます。

松岡さんの「万能鑑定士Q」等は漫画原作にもなっている!

著者の松岡圭祐さんは、『万能鑑定士Q』『探偵の探偵』『ミッキーマウスの憂鬱』『千里眼』『催眠』『高校事変』などを執筆した小説家として有名ですが、万能鑑定士Qや、高校事変などは漫画の原作にもなっています。

漫画原作の観点からいうと、漫画原作者の中でももともとは小説家で、その小説作品が原作となって漫画化されたタイプの原作者ですね。
漫画原作者へのルートとしては、他にも漫画家から漫画原作者になったり、漫画編集者からなったりと色々あるようですが、この小説家からのルートも少なくないみたいですね。
小説のもともとのファンもいますし、内容の面白さも保証されているわけですもんね。

この本の特筆すべき点は「創造」という作り方!

なんといってもこの本の特筆すべきポイントは、松岡さんが「創造」と呼ぶかなり独特なストーリーの作り方ですね。

「創造」は、物語を書き始める前に既に自分の頭の中でその物語を完成させる方法です。
もう完成しているので、文章を書きながら次はどうしようあれこれ悩むのではなく、ただ頭の中で完結したその物語の内容を文字に起こすだけというわけです。
その方法が、かなり具体的に書かれています。

物語の設定的には、漫画でよくあるようなファンタジーというより、どちらかというとリアルな話を作るのに向いているんじゃないかと思います。
実写でできそうな感じですね。

私は空想が苦手なので方法論に頼りたい。

松岡さんは、著書の中で「フィクションを愛する貴方が、空想を嫌いなはずはありません。むしろ得意としているはずです・・・」
と書いていて、この本を手に取るくらいだから読者は物語を空想するのが好きだろう、という前提で物語の作り方の方法が説明されています。

…なんですけども、実際のところ私は空想が苦手です、w

空想が苦手なのになんで漫画原作なんて書こうと思っているんだって感じなんですけど、…書きたいんですよね。
私は実利主義というか、合理主義、現実主義みたいな感じで物事を過去の経験で判断したり、考えたりする性格なんですよね。
逆に言うと、現実に存在しないことを妄想・空想することが難しいです。
なので、映画とかドラマとか、現実に存在しないお話を見聞きしても、なかなかその世界に入り込めないんです。

MBTIという性格診断テストでは、感覚型のS 型と、直感型のN型に分けられるんですが、完全にS型です。
ちなみに日本人は感覚型のSが多いみたいです。

感覚型(S型)が優位な人は、地に足がついた考えを持つ反面、想像力ある自由な発想を苦手とすることがあります。
直観型(N型)が優位な人は、今ここにない新たなアイディアを思いつく反面、現実とは乖離した思考をすることがあります。

だから、ストーリーでいうと現実に存在しないファンタジーのお話を考えるのがすごく苦手で、反対に自分の経験をそのまま書くようなのが向いてる気がします。

小説で言うと、私小説の西村賢太さん。私小説なので、西村さんの私生活や考えがほとんどそのまま小説になっています。

漫画でいうと、高校時代の産婦人科でのアルバイト経験を漫画で描いた沖田×華さん。これも自分の経験を漫画にしていますね。

交番でのドタバタ劇を漫画にした泰三子さん。実際に警官として10年間働かれていて、その時の経験をもとに漫画を描かれています。

などなど…。

フィクションでもノンフィクションのようにかける「創造」とは

私の場合は、こういった現実的な経験から考える物語の作り方を参考にした方がいいのかなと思っています。
ですが、自分の経験をそのまま書いたって、普通の一般人ですから全然面白くはないので、当然フィクションを入れて面白おかしいストーリーにしていかなければなりません。

そういった場合に、松岡さんの「創造」という発想方法を取り入れていったらかなり有効なんじゃないかと思いました。
なぜなら、この「創造」という方法を使うと、フィクションでもノンフィクション作家と同じ視点を得ることができるからです。
ノンフィクション作家は、フィクションのように現実に起こりえないような突飛な出来事を作る出すことが難しいですが、その代わりに重量感や迫力を持つリアリティを生み出すことできます。
そんな中、「創造」を用いることで、フィクション作家でもノンフィクション作家と同じ条件で文章を書くことができるようになります。

これだけ「創造」をアピールすると、そんな魔法みたいな方法あるのか?と不審に思うかもしれませんが、それがこの本の中ではかなりの分量を割いてその「創造」のやり方について説明されているんですよねw
なかなかやってみるのはハードルが高いというか、驚きの方法なのですが、読んでみると分かりますが、かなり面白い創作方法です。

あらすじは誰にも見せるな

当然ですが、松岡さんは小説家なので、文章を書く人の気持ちにかなり寄り添った内容になっていると感じます。
文章を書く人の悩みとか、不満とか、かゆいところにも手が届くような繊細さ、細やかさで創作方法を説明されています。
読んでいて、そうそう、そうなんだよ!といいたくなる感じですw

その一つが、「あらすじは誰にも見せるな」というアドバイスです。
一見トンデモのように聞こえるアドバイスですが、その理由を読むと、文章を書いている人ならかなり納得のいく理由で、確かにその通りかもしれないと感じるはずです。

その他、効果的な推敲・校閲の方法や、編集者との関係、契約書や確定申告についてまで書かれていて、幅広く勉強になると思います。

内容の密度も高く、多くの気づきと発見、勉強になる書籍でした。
ではでは。

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