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ピン留めの惑星|全アーカイブ

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いつのまにか失くしてしまった“たいせつなもの”たちが辿り着くどこかの星のだれかの物語―。  ◉《大島智衣の読みもの》と《つきはなこの漫画》との週替り交代+おまけ付きでお送りするシ…
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2018年12月の記事一覧

チョコレートケーキの幼馴染(後編)

前編はこちらから -fin- 年末のご挨拶こんばんは。大島智衣です。 今年の秋につきはなこさんと始めたこのマガジン『ピン留めの惑星』。 読んでくださりどうもありがとうございます。 前後編にわたるつきさんのマンガ、いかがでしたか? 幼なじみがいるのって、憧れますよね。私は、はっきりとはいなかったので。 それでも、小学校と学童保育が一緒で近所に住んでいた男の子が、中学に上がって女の子といろいろいろいろ……してるのを知った時は大きくショックでした。私はまだ恋に恋してるような

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チョコレートケーキの幼馴染(前編)

-後編へ続く- 🎄購読特典🎄 今回のおまけは、クリスマスにふさわしい……かは分かりませんが、前回の“半分懺悔”エッセイ〈ゼネコン男子とのお見合い編〉につづく、かつてクリスマスの時期に行われた〈韓国でのお見合い編〉をどうぞ。 クリスマスイブの往路チケット2012年の9月から12月の3ヶ月間、韓国のソウルに語学留学をした私は、帰国も差し迫ったクリスマスシーズンにお見合いをしました──。 韓国には親しい女友だちが二人いて、そのうちのHが「お父さんの会社の取引相手の部下(

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マシュマロアイスというの

ときどき想像する。 もしもあと何十秒とか、何分とかで、 じぶんの人生が終わってしまう期限が差し迫ったら。 誰に、何を、伝えたい? やり残したこと、思い残したこと、は? 私は何を、遺す? 「なんにも ないや」 大型の台風が接近中で、空模様が荒れ模様になりつつある夜のバス停で、ベンチに腰掛けながらふと、家に着くまでには溶けてしまうとわかっているのに買ってしまったマシュマロアイスというのを、姿勢悪く頬張りながらふと、そう思ってしまった。 「なにも ない」 帰宅して

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死にたくないけど殺されたい

-fin- ・。。・゚・。。 購読特典・。。・゚・。。 今回は、前々回のおまけにつづく大島智衣の“半分懺悔”エッセイ〈ゼネコン男子とのお見合い編〉をどうぞ。 お見合っていない これまでにそういう出会いって……? ネットで男性と知り合って実際に会ってみるということをしたことがあるか、思い出そうとしてみたんですけど……思い当たらないんですよね。かいかぶるつもりはまったくないのですが、たぶんない気がします。 友人たちがオススメしてくれるマッチングアプリも結局試さずじ

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絶対になくならないピン留めと恋

もうだいぶ遅い時間のバスでの帰り道。 左ななめ後ろの座席から、お互いに気恥ずかしそうに恐縮し合う男女の会話が聞こえてきた。 「迷惑かなと思ったんですけど。いつも次で降りてるなと思って」 「いえいえ、ありがとうございます。助かりました」 どうやら、たまたま隣の席に座っていた女性がいつも自分と同じ停留所で降りることを知っていた青年が、次はもう自分たちが降りる停留所だというのに彼女が気づかずこんこんと眠り続けているのを「このままでは乗り過ごしてしまう!」と意を決して声を掛け、起

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