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疾患と社会的スティグマ

スティグマとは、恥、不名誉な
烙印を押すという意味です。
その烙印を社会が押すということ。
最近ならコロナ感染者、性感染症、
HIVなんかも多いと思います。
感染対策をしてなかったんじゃ…
飲み歩いてたんじゃないか…
乱れた性生活を送ってたんじゃ?
風俗に行ったんじゃないか。
同性愛者なんじゃないか…
なんていう勝手なイメージの烙印
を押してしまう。公衆衛生上問題
のある人だと思われる。

生活習慣病と言われる病気もそう。
糖尿病なら、自己コントロールの
出来ない怠け者、ぜいたく病、肥
満度の高い人、自業自得…
糖尿病からの腎臓病、透析治療も
同じような目で見られる。
周囲の人から非難や差別を受ける。

他にも子宮頸ガン
男性関係が乱れていた人という烙印
なんかもある。だから子宮頸ガンと
言えない女性も多い。

私は目の自己免疫疾患の治療で大量
のステロイド投与を長期に渡り内服、
点滴をした為にステロイド糖尿病に
なりました。糖尿病といっても1型
2型、妊娠糖尿病、と色々あります。
1型は生まれつきインスリンを身体
の中で作ることが出来ない病気です。

子供の時から常にインスリン注射を
打たないといけない辛い病気です。
いわゆる生活習慣病とは別の病気と
考えていいと思います。
でも「糖尿病」と付くだけで差別を
受ける人は多いと聞きます。

私も差別を受けてきました。
一連の流れを知っている医師には
差別される事はないけど知らない
医療従事者には差別的な発言を受け
たり、小ばかにするような態度を
されたりします。とても辛いです。
大酒飲み扱いされた事もあります。

治療意欲が下がります。
なんかもうどうでもいいや…
生きてることさえ辛くなります。
私の場合目の病気だけに糖尿病
網膜症だと思われ、腎臓の数値が
悪いのさえも糖尿病のせいになる。

例え典型的な2型糖尿病だとして
も、同じような食生活や日常生活
を送っていても糖尿病になる人と
ならない人が居るという研究デー
タがあるそうです。そこには体質
的なものや遺伝的要素などの要因
があるらしいです。

なぜ、同じ生活をしてきたのに、
ならない人は非難されないのかと
不公平感を持ちませんか?
仮に不摂生な生活を送ってきた人
でも糖尿病と気付き、これまでの
生活を改めて努力している人たち
もたくさん居ます。そういう人に
スティグマをぶつける事は許され
ないと私は思っています。

確かに治療を積極的に受けない人。
生活改善をしようとしない人たち
も残念ながら居ます。
好きなもの食べて、好きなお酒を
我慢するなら死んだ方がいい!と
いう人も居ます。
それはそれでその人の人生観、死
生観に関わる事なので尊重するし
か無いのかもしれません。

そこで問題になるのがそこに投入
される医療費です。スティグマが
起こる大きな要因は、たぶんそこ
だと思われます。つまり税金を投入
される事です。自業自得、自己責任
論ってやつです。
そんな奴らに血税を投入されること
が許せないという感情ですよね。

糖尿病患者は適切な管理が出来れ
ば、平均寿命とさほど変わらない
ほど生きられると言います。
もちろん就業も可能です。それには
適切なインスリン注射などへの理解
が必要になります。

糖尿病で治療中なんだよね!
と周囲に理解され、スティグマの
ような色眼鏡、だらしない人…と
いう差別をせず協力してあげる心
が必要なのです。コソコソと隠れ
て不衛生なトイレで注射を打つ事
なく、少し人目を避けて打てるよ
うな環境作りが必要なのです。

それはHIVでも子宮頸ガンでも同じ
だと思います。そういう差別が当た
り前になってはいけません。
なろうと思ってなった人は居ないと
思うし原因は一つではないんです。

不摂生な生活をしてきたとしても
差別をしていい理由にはならない。
どんな病気になったとしても生き
易い社会になって欲しいです

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