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―カセットボーイを聴きながら―昭和の大学生の日記 1983年4月

大学時代の日記を読み返してみたら、スマホもネットもなかった時代がなんだかとても懐かしくて、一部抜粋してみました。突然ですがよろしく。

4月24日(日) 晴
 髪を切りに行った。パーマをゆるくあてた。
 FM大阪に燃えた一日だった。まず朝9時から「伊藤銀次のコーク・サウンドシャッフル」(伊藤銀次のニューアルバム特集)、カセットボーイで聞いたら雑音だらけで、ヘッドホンがアンテナ代わりになっているため、部屋の隅の洋服ボックスの前にじっと立って聞いていた(そこが一番感度がいい)。
 お昼の2時は「渡辺徹 ひとつぶの青春」(佐野元春ニューアルバム集)。この時間は美容院に行っていたため、タイマー仕掛けて録音。
 夜の7時は「音の仲間たち」(ゲスト:杉真理、伊藤銀次)。犬の散歩から必死に帰ってきて録音した。

4月25日(月)晴
 今日はAM1:00からFM大阪の「気まぐれ飛行船」を録音するつもり。クレイジー・キャッツの特集で、大好きな大瀧詠一も出演する。

4月26日(火)晴
 今日は大学の授業の2コマ目が空いていたので、図書室の自由席で星新一の『きまぐれロボット』を半分くらい読んだ。「夜の事件」というショート・ショートに感激した。
 帰宅して、持っているマンガの蔵書リストを作りかけたけれど、押し入れから古いマンガを引っぱり出さないといけないので途中で挫折。

4月28日(木) 雨のち晴
 マンガの蔵書リストを完成させた。しめて108冊。あまり充実してなくて自己嫌悪。もっと増やしたい。

4月29日(金) 晴
 弟が貸しレコード店からレコードを借りてきた。弟の趣味はビートルズ、母の趣味でフリオ・イグレシアス、私は佐野元春の「Back To The Street」。
 佐野元春のLPは、しっかり弟にカセットテープに録音してもらった。どっちかというと「Heart Beat」のほうがよかったんだけど。ちなみにニューアルバムの「No Damage」は、弟によるといつも借り切れらしい。私も会員になろうかな。

4月30日(土) 曇のち晴
 学校が終わってから、ブックリーへ行った。古いマンガや文庫本を安く売っていると聞いていたから。マンガはあまりいいのがなかったが、文庫本で山下洋輔の『ピアノ弾き翔んだ』を買った。半額だった。
 高校のときの友達と『蒲田行進曲』を観に行く約束をした。
 弟がまたレコードを借りてきた。「NO DAMAGE」と「Heart Beat」。また弟に録音してもらってる。

・FM大阪に燃えた――当時は「萌え」という言葉はまだなかった。
・カセットボーイ――AIWA製。ウォークマンのようなもの。たしかウォークマンより安かった。再生のみのものが一般的だが、私はラジオと録音機能がついているものをお年玉で買って持っていた。

・マンガの蔵書リスト――エクセルはないので、当然紙に手書き。
・貸しレコード店――当時は著作権ゆるゆるでした。

・レコードをカセットテープに録音――ステレオにラジカセを線でつないで録音。レコードからカセットに録音すると当然音質は落ちるが、ウォークマンなどで聞けるようになる。

・「Heart Beat」のほうがよかったんだけど――佐野元春の名盤LP「SOMEDAY」は当然すでに購入して所有済みだったので、借りるまでもない。

・ブックリー――ブックオフがまだない時代の、小規模な古本チェーン。

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