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札幌滞在記5 〜ハウスミュージックと呪縛の夜〜

9日目。
宿のバーで働いているシェフがDJをしているとの事。
近日で札幌のイベントに出演するということで、折角だからと参加を企てる。

会場はprecious hall。
恥ずかしながら無知だった自分は、参加の意思を伝えると周囲のスタッフからこの会場の魅力について知るように促された。

まさかの、BRUTUSだ。
記事には何とも興味深い記述が並ぶ。
百聞は一見にしかず。クラブにはあまり行かない性分だったが、こればかりは行って確かめるのみだ。

1時、すすきのの宿から15分ほど歩いて、プレシャスホールがあると思われるビルの前に着く。案内看板など目立ったものがなく、手探り状態で地下へと進む。
staff onlyと書かれてもおかしくないようなドアを抜けると、ついに入り口へたどり着いた。ここから先は撮影禁止との事。

フライヤー提示で割引値段で入場。

この日は、2つのゾーンで楽しむ事ができる。
入り口から入って手前側が、比較的ゆったりできるゾーン。
バーカウンター挟んで奥がダンスホール。

そこにいたのは、音に身を委ねている人たちだけ。
彼らには、ナンパという類の邪念は全くない。

薄暗く、天井がバルーンで装飾された部屋にビートが漂う。

ジンリッキーを片手に、自分も加わろう。

暗闇で体を動かす。
人の真似はしない。
ありのままをやればいい。

曲が分からなくても、「感じればいいのだ」そうホールが教えてくれているようだった。

夜だから、はしゃがなければいけない。
そんな呪縛はこの空間に存在しなかった。

あくまで、みんなが思った通りの楽しみ方をすればいい。

座るのもいい、口説いてもいい。

precious hallはとても暖かく自分を迎えてくれたと思う。

朝4時。
帰路に着く。
大学生のような飲み疲れはなかった。
むしろ、少しだけ夜更かしをしてしまったような感じだった。

北海道の朝は早いのか?
それとも夏至が近づいているからなのか?

札幌の翌朝はとっくに始まっていたようだ。

(続く)

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