見出し画像

「先手を打つ」って、大人

 歯科、定期検診。一週間前に行ってきた。
そこで、ほんのわずか治療した方がいいかも、という箇所が見つかったので、すぐ一週間後の取れる日程で予約を取ってもらった。「一回で終わる治療ですのでね~」。

 行ってきたのが昨日。
レントゲンを撮る際の歯科衛生士が、少しまだ不慣れな様子だった。
撮るために「噛んでください」と言われて挟んでもらった器具が、言われたとおりに噛むと明らかに歯肉に突き刺さって痛い。
これにはさすがに「……ちょっと、刺さって痛いです」と言わせてもらった。
自分ではどうしようもできない施術をしてもらう側として、できれば「NO」は言いたくないので心が痛んだ。
「意気地なしだな」とか、「これまでどれだけ温室育ちだったんだ」とか、よもや「私の方法は間違っていたのだろうか……」などと思われたり、思わせたりしていないかと悶々としてしまうくらいには自分は繊細らしい。

 定期検診は1時間くらいかけてもらった記憶がある。
今回は治療。終わってみて驚いた。
15分。その建物に、入ってから、出るまで。

 以前は3000円近くかかった記憶がある。
これもまた、驚いた。
1500円。

 きちんと定期的に歯医者に受診しよう、と思ったのがつい最近のことだから、自分には圧倒的に「目途」というやつが分からない。たぶん、ふつう、歯医者に疎遠になってはいけなくて、それくらいは一般教養に含まれるのかもしれない。
歯の目途の嗅覚が全然ダメ。こんな場合は、取り急ぎ何科を受診すればよいのだろうか。

 そして今日、内科を受診してきた。いつもの花粉症の件。
こちらはもう勝手知ったるもので、支払いの段に驚くことはなかった。
というか、高いとも安いとも適正とも、何も思わない。「あ、はーい」である。
診察で支払ったのは750円。処方してもらった薬代は2か月分で1400円。
これはさすがに自分にとっては「一般教養」、と思いきや、これはこれでそうでもなかったらしい。「予想通り」とも、何も思わなかったからだ。
いつもお馴染みのことなら特に感情が動かないのだろう。そして、よほど強烈な印象でもなければ、具体的な額面も「風景の一部」なのだろう。
そんなことを考えているとドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」を思い出した。

 内科。自分は花粉症で受診したわけだが、そこには明らかに発熱症状の人もいた。
入り口で「発熱症状の人は、このビニール手袋を着用してください」とあって、それをはめて待ち合いに座る人ばかりだったことから分かる。
とてもよく換気されている病院だったとはいえ、そして離れたところにぽつんと座れていたとはいえ、「外で待っています」と言えば良かった。
むろん、悪い人は誰もいない。

 やはり何を書いてもコロナに繋がってしまうなぁと改めて実感する。この2年、ずっとそう。
ひとまず、春の花粉症に対して、今回も本格シーズンに突入する前に先手を打てたことに祝杯。
歯の定期検診も、如才なく次回予約もできた。
先手を打つ――。めちゃめちゃ大人って感じだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?