ひえびえ

ごきげんよう。
塩野義ピル子です。

高校時代の後輩と飲みに出掛けました。
社会に出たらもう2歳差なんてほぼ同じだし、今は奴もニ児の父なのに、いまだに私を「先輩」と呼びます。
お互いにクセが抜けなくて照れ臭いのですが、私もつい、奴を呼び捨てにしてしまいます。
ご両親やお姉様ともお会いした事があるのですが、それはもう皆さんお顔がそっくりで。
もちろん子供たちもそっくりです。
ご先祖も未来の孫たちもきっと。
手強いDNAを感じます。
他人のはずの配偶者とも顔が似るのって面白いですね。


我々はそこそこ飲めるので、会う時は昼間っから飲ります。
クラシックラガー大瓶からスタートして焼酎に。
私は えいひれ があったら絶対に注文するのですが、今回のお店のは唐辛子が効いてとても美味しいものでした。

えいひれを噛みながら、近況報告を。

奴の悩みは数年前の私と同じ、夫婦のセックスレスです。
数ヶ月前に会った時にも聞いていたのですが、改善されていないとのことでした。

こればっかりは本当にどうしようもないなぁ…

元オットの冷たく硬い拒絶の背中を思い出すと、いまだに気持ちが冷えびえします。
だから奴の気持ちは手に取るように分かる。
辛すぎて辛すぎて手段が無くて、私に助けを求めてきたのです。
つまり、寝ませんかと。
奴は私が現在SEXに興じている経緯を知っているのもあって、そう言ってきたのだと思います。

私は男女間に友情は成立すると考えています。
(多様性のこの時代、もう「男女間」という表現は違うのかもしれませんが)
性別を超えてヒトとして向き合っていると言うか、親しくなればなるほど色っぽいセンサーが反応しないと言うか。
お互いに尊重・信頼し合う、それが苦にならず自然に出来る関係性はとても快適なので、それを損なわないようにしよーぜ!という無言の協定が結ばれている気がします。

奴とは部活を通した仲間意識があり、これまで20年近くこのような空気になる事は一切ありませんでした。
私もかつて婚外恋愛にのめり込んでしまったように、奴がこんな事を言うのも、自分で中々コントロールできない強い性欲からです。
頭の中がそれで支配されるのを必死に掻き消す毎日。
枯れてしまえばどんなに楽か。

不貞行為うんぬんは一旦置いて。
私は奴の要望に応える事は出来るでしょう。
でも二度とこうしてウダウダ飲めなくなるし、OBOG会等で顔を合わせて何かを気取られてしまうのも居心地が悪い。
ってか私 風俗ちゃうしあんたの勃起したちんこなんか見た無いわぃっ!!と最後は茶化して。
そのように伝えて、この話は終わりました。

こんなのは言われるまでも無く分かっていた事と思いますが。
しばらく何も話さず冷たくなったお湯割りを飲みました。
気まずさを隠す為に沢山喋ったりなんかしなくていいぐらいの関係性は築いてきたし。

また何ヶ月か先に奴と飲むでしょう。
でも、以前のように芯から酔うにはちょっと時間が掛かると思います。
なんともしょっぱいお酒でした。

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