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【開催報告】#ピルコンルーム no.36「泌尿器科医から学ぶ #男子の性」

noteを開いて頂き、ありがとうございます!ピルコン学生インターンのまゆです。

このnoteでは、ピルコンが主催するユース世代向けオンラインイベント「#ピルコンルーム」のレポートをお届けします。今回のイベントに参加できなかった方、今後イベント参加を迷っている方、もちろん参加してくださった方も、ぜひ最後までお付き合い頂けますと嬉しいです😊

オンラインイベント「#ピルコンルーム」って?

NPO法人ピルコンが主催するオンラインイベント「#ピルコンルーム」。大学生や若手社会人などのユース世代を対象に、身近な性をテーマに安心して語り合いたい方向けに定期開催しているイベントです。

今回のイベントテーマは「男子の性」。大学生や養護教諭、助産師など様々な立場でご活動されている計89名の方からお申込みを頂きました。沢山の方に学びや対話の機会をお届けできたようで、大変嬉しく思います。ちなみに、オンラインイベント当日は首都圏の他、名古屋や長野、兵庫など全国各地から約30名程の参加者の皆さまにお会いすることができました。

①ゲストトーク

今回の#ピルコンルームには、泌尿器科医の内田先生をお招きしました。イベント前半のゲストトークでは、包茎などの男子の性に関する基礎知識に加えて、よくある性の悩みや泌尿器科医の選び方などについて内田先生から貴重なお話を伺うことができました。

ゲスト・内田洋介先生って?
キラメキテラスヘルスケアホスピタル泌尿器科科長。鹿児島大学非常勤講師。「かごしま性を考える会」会長。泌尿器科医の立場から地元中学生への性教育講演も行っている。所属学会は日本泌尿器学会、日本性機能学会、日本性感染症学会、日本思春期学会、GID学会、日本性科学会、日本生殖医学会など。

(提供:内田先生、無断転載・転用禁止)

 包皮に覆われた亀頭が全く露出できない状態を「真性包茎」といいます。手でむくなどすれば、ある適度露出できるけれども普段は包皮に覆われている状態を「仮性包茎」といいますが、これは正式な病名ではなく、自然なペニスの形となります。亀頭の露出を中途半端な状態で止めてしまうと、むくんできてそのまま包皮を動かせなくなってしまうような状態になる場合があります。これを「嵌頓(かんとん)包茎」といいます。内田先生によれば、嵌頓包茎の場合は血液のめぐりが悪くなり、最悪の場合組織が死滅してしまう可能性があるため、すぐに病院に行く必要があるそうです。

「○○包茎」ってなに?包茎について詳しく知りたい方は「ピルコン」HPをチェック▼
pilcon.org/help-line/men

 また、真性包茎の治療でも必ずしも手術を行うわけではなく、泌尿器科医の治療は保険の範囲内で行うことができます。仮性包茎は治療の必要はない状態ですが、美容医療クリニックなどで自由診療で手術が多くされています。10万円ほどで提示されていた料金が、治療の最中にオプションが付けられていき支払い費用が100万円を越えるなど、高額になり、消費生活センターへの相談につながるケースも多く存在するそうです。そのため、包茎の手術で悩んだときは、まずは泌尿器科に相談することがおすすめとされています。

(提供:内田先生、無断転載・転用禁止)

 内田先生のゲストトークでは、よくある質問についても取り上げられました。「射精の寸止めは身体に悪い?」という疑問については、「早漏で悩んでいる方が医師の指導のもとに治療として行う場合があるが、その他の人が無理やり寸止めをすると射精障害になる可能性があるためあまり良くない」とのことで。その他には、テクノブレイクの元ネタがフェイクニュースであるなどといった解説がありました。

(提供:内田先生、無断転載・転用禁止)

ゲストトークの最後には、男性の性交痛に関する相談先として「ふあんふりー」が紹介されました。「ふあんふりー」では、「男性の性交痛」をテーマにした内田先生のインタビュー記事があり、「男性がセックスの時に感じる痛み」や「セックスの時以外に男性側が感じる性器周りの痛み」について学ぶことができます。気になる方は下記リンクをチェックしてみてくださいね。

性交痛について相談できるサイト「ふあんふりー」のリンクはこちら▼
https://fuanfree.com/welcome/
「ふあんふりー」の内田先生インタビュー記事のリンクはこちら▼
https://fuanfree.com/factor/illness_f/6061/

実は当日参加した私たち(学生運営スタッフ)も「男子の性」というテーマについて、「中学校の性教育が男女別だったので、男子の性についてあまり情報が入ってこなかった。」「学校の授業で学んだ記憶があまりない、、。」といった印象がありました。専門的知見に基づいた詳しい解説をお伺いすることができた今回のゲストトークは、参加者の皆さんだけでなく私たちにとっても大変充実した時間でした。

②Q&Aタイム

(提供:内田先生、無断転載・転用禁止)

#ピルコンルームでは事前に参加者から頂いた質問(上のスライドに記載)を取り上げた後、お時間の許す限り、リアルタイムでZOOMのチャットに寄せられた質問も取り上げています。当日のQ&Aの様子も一部共有させて頂きますね。
Q「陰嚢の痛みの緊急性の見分け方はどのように判断すれば良いですか?」
A「精巣捻転が一番問題になり、物凄く痛いそうです。思春期前後のお子さんが痛みを感じている場合は早めに受診すること。間違っていても良いから、まずは泌尿器科へ。」(内田先生)
Q「小学生では、包皮と亀頭がくっついていて、無理やりすると痛いとありました。包皮を下げて亀頭の周りを洗い清潔にするセルフケアは、どの程度の発達のタイミングで伝えることが対象者にとって良いでしょうか?」
A「無理にはがす必要はなく、剥けるところまでで良いです。排尿する穴まで出来るだけ引き下げておいて、シャワーで流すこと。剥いてきつい場合は元に戻さないと嵌頓(かんとん)包茎になるので、きちんと戻す方が良いです。」(内田先生)

沢山の質問・コメントを届けてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

③ディスカッション

 ゲストトーク・Q&Aの後は、参加者やピルコンフェローでディスカッションを行いました。各グループで簡単に自己紹介をした後、「男子の性について性教育を実践する上での難しさって?」「自分とは異なる身体の仕組みをする上での工夫」というテーマで20分ほど話し合いました。男子の性について「教える立場」で働く人、学生などの「学ぶ立場」に近い人が入り混じったグループもあり、話し合うなかで刺激を受けられた方も多いのではないでしょうか。

ディスカッションのなかで共有された意見・コメントの一部を紹介させて頂きます。
・「自分とは違う性について話すことが難しい。事前にアンケートを行い、男性の体をもつ人のニーズに合わせて行うようにしている。」
・「男子の性については、ネットからの誤学習のスピード感が早いと感じる。最近は間違った情報が拡散され、『フィクションである』と大人が言っても通用しないことも。」
・「マスターベーションや包茎など誤解を生みやすく、恥ずかしいという気持ちが生じ、話にくいと感じるのではないか。」
・「人間の話をする前に、人間以外の動物の例を出してみるのはどうか。」
・「病院など、ちゃんとした機関に繋げることを薦めるのはどうか。」

 ちなみに、私は比較的長く#ピルコンルームに関わっているのですが、毎回ディスカッションが終わると参加者の皆さまが笑顔になっていることが多く、温かい気持ちになります(笑)
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

④交流会

 #ピルコンルームの後は、任意で参加できる交流会「ほうかごピルコン」を開催しました。今回はなんと内田先生も参加してくださり、Q&Aやディスカッションで取り上げきれなかった部分についてさらに交流することができました。また是非遊びにきてくださいね。

⑤参加者の声をご紹介!

・男性の包茎など知る機会がなかったため、とても勉強になりました。
・異性の体の仕組みはまだ理解が不十分なことがあると実感しました。ディスカッションでは内田先生ともお話ができてとてもうれしかったです。
・医療関係者なので、泌尿器科の先生のお話が具体的でわかりやすかったです。 病院に行く目安などがあり、参考になりました。

アンケートにご協力頂いたみなさま、本当にありがとうございました。またお会いできることを心より楽しみにしております。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
ピルコンルームでは、性について安心して語り合いたい、一緒に考える仲間がほしいユース世代のご参加をお待ちしております。イベントの後にはアットホームな交流会「ほうかごピルコン」も開催しているので、性や性教育について気軽に話せる仲間がほしい方におすすめです。(ちなみに、ピルコンのイベント告知はinstagram等各種SNSやPeatixで通知を受け取ることができますよ👀リンクは本記事の最後に記載しています。)

ぜひ、次回のイベントに遊びにきてくださいね!

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それでは次回もお楽しみに~! 


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この記事を書いた人⇒まゆ
東京学芸大学4年生で、主にピルコンのイベントチームで活動中。「性について学んでみたい/活動していきたいユース世代が安心して語り合える居場所」を目指して、「#ピルコンルーム」を企画運営しています。最近は卒論に追いかけられている。


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