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さなぎから蝶になるための準備(前編)

カモメになったペンギン

私はずっとボディワーカーとして生きてきた訳ではなく、20代後半から30代前半にかけて、とある化粧品会社に勤めていました。良くも悪くも歴史のある少し古い体質の日本企業で、会社は変革を迫られていました。社長や専務など経営幹部の人たちは、度々、危機感を社員に発信していました。

ある日、全社員に対しての基調講話で、壇上から専務が「カモメになったペンギン」という本を紹介されました。

徐々に溶けていく南極の氷山。
このままだと、自分たちは生き残ることができないと気づいたペンギンが、どう生き残るのかという寓話。
本に触れながら、「お前たちは変わる気があるのか」と専務は壇上から檄を飛ばされていました。最近、10数年前のあの日のこと思い出します。

わたしは、変わる気があるのか

コロナウィルスの問題は収束する日が来るのでしょうか。そして、その後も不景気は続くという話も漏れ伝わってきます。フィットネス業界もセラピー、治療の業界も、フリーランスの人たちそれぞれにとっての南極の氷山は溶け始めています。もちろん、私の氷山も溶け始めています。

最近、スタジオ経営者だったり、先生の先生をするような立場の友人たちとは「生き延びましょう」が合言葉になってきています。

氷山は溶け始めています。
私たちは、生き延びることはできるでしょうか。

不安な時ほど、瞑想やボディワークが効果を発揮します。こういう時期は、自分が成長できる良い機会にもなります。本当に自分がしたいことは何なんだろうと、見つめ直すきっかけにもなります。忙しさを言い訳にして先延ばしにしてきたことに、取り掛かる絶好の機会にもなっています。

とは言え、実際に何か新しい取り組みをし始めた人はいったいどれぐらいいるでしょうか。成長しなければ将来が不安だという危機的な場合であっても、なかなか動き出せない人も多いのが実際です。動き出せなくて自己嫌悪に陥っている人もいるでしょうが、これは私たちの心の動きなので自分を責めてはいけません。

私たちの心は、変わらないように(変われないように)作られているのです。

「現状維持メカニズム」

人が変われない理由(仕組み)を、ある人は現状維持メカニズムと名付けました。昨日と変わらない今日だからこそ安全で、今日と変わらない明日であれば同じく安全だろうという潜在意識の仕組みだと彼は言っています。同じ概念でコンフォートゾーンと名付けている人もいます。恒常性、ホメオスタシスとも言います。

これは、私たちにそもそも備わっている心の機能です。この現状維持メカニズムは、プラスの面とマイナスの面があります。プラスの面は、私たちが社会が安定している場合は、安全に過ごしていくことができるということがあります。マイナスの面は、変化を避けてしまうことです。社会が不安定な場面では、変化を避ける私たちの心の自然な働きによって、生き延びることができないかもしれないのです。南極の氷山が溶けても、飛ぶことにチャレンジしないペンギンと同じです。

南極の氷が溶けているのは一時的なことだから、このまま待っていたら大丈夫だろうというのは、しばらく自粛していたら...という今の私たちに似ていませんか?

変わるための最初の一歩、現状維持メカニズムの抵抗に合わずに自分を変化させていく方法、またこれからの時代に生き延びるための一歩について、次回は書いていこうと思います。私たちは変わるための準備をしなければならないタイミングに来ています。

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