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「調子はどうですか?」と聞かれたら

最近、「調子はどうですか?」と聞いたり聞かれたりしたことはありますか?

家族と暮らしていたり、他人と関わる機会が多い人は質問される機会も多いと思います。営業マンの人たちは商談に入る前の世間話などで、そういう質問をするかもしれません。

自宅にいる時間が増えて、そういうやりとりを他人とする機会が減っている人もおられると思います。でも、自分に対して自分で「自分の今の調子はどうだろう?」と質問をすることもできます。是非、自分に「調子はどう?」と今の今、このnoteを読み進める前に聞いてみてください。

あなたはあなたの調子をたずねる質問に、どのようにお返事しますか?

必ず、答えを心の中に書き留めてから、読み進めてください。

他人からの「調子はどう?」

他人からの「調子はどう?」に対して答える場合、誰に聞かれるかによって返事は変わるかもしれません。いかにも体育会系の上司、目上の人に「ちょっと、膝が痛くて...」とは答えないでしょう。「元気です!」と元気でなくても、反射的に答える人が多いはずです。

セラピストに聞かれた場合、「絶好調です!」と答える人は珍しいでしょう。絶好調なら絶好調でもいいですが、そんなことは滅多にありません。絶好調であると感じる時は、少し躁的で危険であることをボディワークを体験している人は理解しています。本当に調子が良いという状態は、もう少し静かな温かみのある感覚がもたらされているので「絶好調です!」とはならないのです。

他人に「大丈夫です」と答えてしまう

誰に聞かれても、いつ聞かれても、「大丈夫です」と即座に返事してしまう人もいます。

この人はほんの少し、心理的な問題を抱えています。過剰な気遣いを他人に対してしてしまっている場合、そういう返事の仕方をしてしまうのです。軍隊的でもあります。何があっても、血を流していても「大丈夫です!」という感じです。無理をするのが当たり前になってしまっているのです。

自分の内側では「仕事をやめたいなあ」など、何か思っているものの、外側では「大丈夫です」と言ってしまう癖がついています。

より深い心理的な問題を抱えている場合は、自分の内側でも「大丈夫」になってしまっているケースです。自分の調子を自分で感じる回路が切れてしまっているのです。あるいは、怪我や病気をしていなければ、全部、大丈夫になってしまっている可能性もあります。

「腐った食べ物でなければ、全部、大丈夫」といった感じに似ています。目盛りが極端に少ない、解像度が低いのです。

「美味しい」ではなく、「大丈夫」という表現になることに問題が隠れています。どう美味しいのかを感じられたり、どの程度自分の好みであるかなど。繊細になればなるほど、解像度が高くなればなるほど、人生はより彩り豊か豊かなものになります。

「調子はどう?」自分に対しては

さて、冒頭の質問に戻ります。

あなたはあなたの調子をたずねる質問に、どのようにお返事しましたか?

「大丈夫」と自分に答えましたか。「首が重だるい」とか「目がドライアイで気持ちが悪い」とか、何がしらか思うこと感じることがあったのではないでしょうか。「まあ、今の状況の割には安定しているな」とか「ちょっと疲れが溜まっているな」など、そんなことを思った人もいるはずです。

ほとんどの人が「大丈夫」よりは繊細に、自分のことを感じとれたのではないでしょうか。もし自分が自分に対してした質問でも「大丈夫」だけだった人は、「本当に?」と優しく自分に聞き直してみてください。

あなたがあなたの子供だとしたら

あなたに子供がいたとします。学校から帰ってきた子供に「学校はどうだった?」と聞いたとします。子供が「大丈夫」と言ったら、あなたは安心しますか?不安になりませんか?本当に大丈夫なのであれば、お友達のこと、授業のことなどを子供は話すのではないでしょうか。大丈夫じゃないから、大丈夫だと言っているのです。

あなたがあなたを大丈夫だと感じているその瞬間、もう一人のあなたは「大丈夫じゃない」と言っているのです。「大丈夫」は大丈夫ではないサインなのです。

最後の質問

もう一度、聞きます。

「調子はどうですか?」

子供であるあなたが、親であるあなたに対して、もう一度答えてみてください。それが答えられたらそれだけでもう、それはセラピーです。あなたはあなたのセラピストなのです。


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