生活と見た目

心と身体の関わり・つながりに興味を持たれている方が、このnoteを読まれている方の中には多くおられると思います。ボディワークを続けるに従って、相関があるという言葉では足りない、より強い関係性に気づくようになりました。

心理的なストレスがあると、必ずそれは身体に即反映します。胃がキリキリ、頭がズキズキ、首や肩がグッと突っ張ったり。嫌なことがあると、お腹が痛くなるという人もいるでしょう。大きな心理的ストレスの場合には多くの人が身体に反映していることに気付けると思います。ですが、もっと前の段階で、小さな心理的ストレスが起こると同時に、実は身体に影響があります。それは繊細に意識しなければ気づかないような、小さな影響です。でも、何がしら反応が起こっています。

心と身体に深いつながりがあることがわかると、身体に対しての向き合い方も変わってきます。「脳が王様・身体は家来」といった感覚で生きていた人は、より身体を脳と対等に考えるようになるかもしれません。ずっと悩んで生きていたり、どれだけ心理系の本やセミナーなどを受けても心のモヤモヤが晴れない・スッキリしないという人は、ヨガやピラティス・ボディワークや武術などに身体に対しての取り組むことによって、おそらく変化を感じると思います。心は触れないものですが、身体は触れられるもので明確に存在しているので、変化をイメージしやすいという部分もあります。

とはいえ、身体をより良くすることを続けていけば、悩みは解消するのかといえばそういう訳でもありません。「日々の満たされなさ」「空虚感、抑うつ感」「怒り」その他、そういった日々の生活を送るうえでの心理的な問題そのものについても、試行錯誤しながら対応するべきです。その試行錯誤、努力の中で起こる身体の緊張に目を向けていくことが大切であって、ボディワークに逃げてしまってはあまり問題は解決しません。ヨガやピラティス・ボディワークに対する取り組みが、ゲームやかけ事に没頭して目の前の問題から逃げてしまっていることと同じようになってしまうこともあります。これは、とてももったいないです。筋トレに過剰に励みすぎることで、より弱い自分をごまかす方向に進んでしまう人もいます。それはふといゴールドチェーンを首にぶら下げて虚勢を張っているような、そういう人と同じ状態になってしまっています。筋トレに限らず、ランニングでも、ヨガやピラティスでも、武術でも。何を選択するにしても、関わりあい方が大切です。おそらく、なんでも同じことが起こります。

私のセッションに通ってくださっているクライアントの中に、20代後半の女性がいます。彼女はとてもかわいらしい見た目の女性ですが、年齢以上に幼い印象を1年以上感じていました。身体が弱い、病気になりやすいといった動機で彼女は私のセッションに当初来てくださったのですが、彼女はより健康になって良い方向に変化していっていました。より心理的にも自立するような、そういった感覚や動きをセッションの中にも取り入れていくようになっていきました。具体的には床との関係性を高める、地に足ついた状態にしていくことをセッションの中で意識していました。

最近、彼女は一人暮らしをすることを決断しました。実際に一人暮らしをはじめて、最初にセッションに来られたときに驚くほど大人びていて、かわいらしい印象からより女性らしい美しさが現れていました。表情のみではなく、身体的にも明確な変化が出ていました。実は首や肩の辺りの筋肉の一部は、脳が神経の支配をしています。簡単に言うと、脳が緊張するとその筋肉も連動して緊張するということになります。その辺りの筋肉を彼女はよく緊張させていたのですが、その辺りがより解放されていました。初めての一人暮らしがはじまったばかりでより強張らせてもおかしくない気がしますが、彼女の場合はそうはなっていませんでした。もちろん、OLとして仕事をする中でまた緊張することもあるでしょう。常に身体の変化は良いときもあれば、悪いときもあり、その波の中でより良くしていく根気さが必要です。一時的な変化と言えなくもないのですが、ただ、この彼女の変化はとても尊いものに感じました。彼女の人生をより良くしていこうというチャレンジを、身体を通して触れることができた瞬間でした。



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