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イーネオヤのコツつぶやき

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編む前に、糸を切り出した時に糸の状態を整えるべし。左右にピンと張り、親指で何回か弾くようにする。よれてた糸が真っ直ぐになり、撚りも整う。化繊糸もこの時に出来るだけ伸ばしておき、オヤ結びをする時に伸びる遊びを極力抑えるようにする。最小単位の糸を先ずは整える。

上達するには、編む糸は絹(シルク)糸と化繊糸を行ったり来たりした方が良い。絹糸だけだときっちりしっかりしたオヤ結びになっているかわからないし、化繊糸だけだと美しい編み地に編めているかわからないから。正しく結べてないと化繊糸だと解けてくるし、絹糸では編み地にスキルが如実に現れる。

編む時は動かすのは右手だけにしない。左手と分業で編む。イーネオヤを編む動作は単純な編み目だからこそ微妙な調整を結び目毎に自然に行なっているのが現状。複雑な動きを右手だけでは安定して実現できないから、左手との分業で負担を軽く、お互いで支え合って編む。

ループを編む時に、高さを出すために針を差し込んだり指で糸を押さえたりする必要はない。そうしなければ出来ないのは、基礎のキのオヤ結びができてへんからやで。出したい高さで手首を動かす。これだけでループは編めるし高さも揃う。全ては基礎のキのオヤ結びができてるかどうか。

基本の山の辺を整えるには、渡糸の長さの調整が必要。が、渡糸の長さを意識して編むのは難しいから、次の段に上がった時の最初の結び目をどの位置に編むかを決め打ちする。下の段の山、ループの頂点に必ず結ぶようにすれば、勝手に渡糸は一定になる。

ただ編みたいモチーフだけを編んでるだけでは上達せえへん。上手に編めるようになる為には、正しいオヤ結びになる糸の動きを知ること、編み方を手続き記憶として身体で覚えることが大事やで。できてへんうちにただ量産するのは、ゴミを増やすことと自分は思ってる。

山を編む時に「左に糸を傾けて引く」というコツがあるけど、自分の感覚では、前に編んだ結び目に引っかからんように乗り越える為に一瞬左に傾けて、あとは編み地を持ってる方の手首を自分に引き寄せる、がいっちゃん楽で整う。可動域的に左側に引き続けて結ぶのは無理くりやし、目が揃いにくい。

オヤ結びを引き締める方向は編み地に垂直に。は、スカーフの縁かがりや減目の時にのみ有効。増目の時は、あるべき方向に引き締める。

オヤ結びをした瞬間になんか変だったかもと感じたら、ほどいて結び直すのが上達方法のひとつな。すんなり解けたら基礎のキのオヤ結びが出来てる。ほどくのにてこずるようなら、出来てへんねん。ほどくとオヤ結びの構造が理解出来るから、ほどく方が上達出来るんやで。

糸を千切って一人前とは誰が言うたんか。針で糸を割ってしまってるからか、糸が摩耗してヘタってるからという、糸の扱いが下手なせいがたいがいの理由やで。更に言えば、化繊の糸でしか編んだことない人の方が、糸の扱いが乱暴になってしまっとるよ。

「オヤ結びをする時は、糸が千切れるくらいに引っ張る」というのはウソやで。時々(>_<)な顔になってまで思クソ引っ張ってる人おるけど、そこまでやらんでええし、そういう結び方の人はちゃんと結べてないのがほとんど。糸の動きを見ながら、しっかりきっちり結ぶ方が正しく結べるで。