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AI育成計画~物語速成術・ホラー編その2

もしあなたが、あなたの作ったストーリーに飽き足りず、全く異なるシナリオ展開を求めているのなら、結末を変えてください。そして自分の「好き」で「得意」なエンディング・パターンを発見してください。その作業は物語だけでなく、あなた自身の作家性にまで大きな影響を与えます。

<第2段階>結末の選定


AI育成計画~物語速成術・ホラー編その1』で、AIに「結末作り」は任せられないと書きました。なぜだと思いますか? 

実は、この作業によって、あなたの作家としての個性がはっきりするからです。ストーリー展開におけるあなたの『好き嫌い』はもとより、自分ではよく分からない『得意不得意』までが明らかになるでしょう。

せっかく自分の作家性が分かるこの選択行動を、AIにやらせるのはもったいなさ過ぎます。

これまで誰も指摘してくれなかった、あなた自身の創作上の特徴と秘密を知りたいと思いませんか?

好きな結末&得意な結末をチェック!


まずは、定番の「結末の8パターン」から、あなたが気に入った結末を選択してください。

もちろんこれらの8パターンも、生成AIに指示すれば一瞬で作成してくれます。

コツは『問題』『敵』『目的』を抽出し、その結果を〇か?かで分類すること。

これさえ決まればあとは組み合わせるだけです。

※参考『「好き」で「得意」な結末とは?』


こういう面倒な雑務をAIに任せることで時間も手間も節約できます。ちょっとした技を1つ2つ覚えるだけであなたの創作効率は何十倍にもなります。ぜひ生成AIをあなたの弟子にしてください。

そうやってAIに作らせた、代表的な8つの結末パターンをご紹介します。

今回も愛弟子AI、claude3.5ソネット君(https://claude.ai/)に作ってもらいました。無料なのにかなり優秀です。

手順3. 8つの結末からお気に入りのパターンを選ぶ


前提:
主人公が解決したい【問題】:池の呪いと、それに伴う異常現象
主人公が打倒したい【敵】:池に宿る邪悪な存在
主人公が達成したい【目的】:真相を解明しオカルトを否定する科学的なジャーナリストになること

1.【問題】解決 / 【敵】倒す / 【目的】達成

美咲は呪いの正体が地下水脈の毒素と発見。科学的手法で浄化し、邪悪な存在(幻覚作用)を消滅。オカルト否定のルポで著名な科学ジャーナリストに。

2.【問題】解決 / 【敵】倒す / 【目的】未達成

美咲は科学で呪いを解明、邪悪な存在を倒すが、過程で超常現象を目撃。科学では説明できない経験に悩み、ジャーナリストを断念。

3.【問題】解決 / 【敵】倒さず / 【目的】達成

美咲は呪いが地域の集団催眠だと突き止める。邪悪な存在(地元の詐欺師)と和解し、オカルト否定のドキュメンタリーで有名に。

4.【問題】解決 / 【敵】倒さず / 【目的】未達成

美咲は科学的に呪いを解明するが、邪悪な存在の脅しに屈する。真相隠蔽の代わりに安全を得るも、ジャーナリストの夢を諦める。

5.【問題】未解決 / 【敵】倒す / 【目的】達成

美咲は邪悪な存在を科学的手法で追放するが、呪いの全容は不明のまま。しかし、オカルト否定の姿勢を貫き、有名科学ライターに。

6.【問題】未解決 / 【敵】倒す / 【目的】未達成

美咲は邪悪な存在を偶然倒すが、科学では説明できず。呪いも継続し、真相究明も科学ジャーナリストの夢も挫折。

7.【問題】未解決 / 【敵】倒さず / 【目的】達成

美咲は呪いを解明できずも、邪悪な存在を心理学で説明。オカルト現象の科学的解釈で、懐疑的ジャーナリストとして成功。

8.【問題】未解決 / 【敵】倒さず / 【目的】未達成

美咲は呪いの力に翻弄され、邪悪な存在の存在を認めざるを得なくなる。科学的アプローチを放棄し、オカルト信者へと転向。


これらの結末は、主人公の科学的アプローチと、超自然現象との対峙によって生じる葛藤を描いています。各結末は、理性と非合理の狭間で揺れ動く主人公の姿を通じて、読者に様々な角度からの問いかけを行うことができます。

さて、あなたはどの結末を選ぶのでしょうか?

結末さえ選んでしまえば、物語化するのはとても楽になります。完成までのスピードも上がります。

まずはとりあえず上記の8パターンから、あなたが読んでみたい結末を1タイプ選んでください。

ちなみに私が選んだのはこちらのパターンです。

8.【問題】未解決 / 【敵】倒さず / 【目的】未達成

美咲は呪いの力に翻弄され、邪悪な存在の存在を認めざるを得なくなる。科学的アプローチを放棄し、オカルト信者へと転向。

やはりホラーと言えばこの展開が王道でしょう! 怪異に立ち向かう人間たちはやがて全てに絶望することになります。そして最後まで滅びないのが化け物や悪霊です。

手順4. あらすじを合体する

結末のパターンが決まったら、前号で作った再要約ストーリーと合体します。すると、この物語の「始まり」と「終わり」が確定します。これで一つのアイデアが完成するわけです。

新聞社の見習い記者、佐藤美咲は、都市伝説や怪奇現象を取材するため、廃墟のコンビニを訪れる。そこで中年の男に出会い、彼から「神を祀る池の祟り」の話を聞く。その男は池で不思議な体験をした後、人生が狂い始めたという。男が去った後、美咲の周りで奇妙な出来事が起こり始め、記事に覚えのない文章が混じったり、自室の壁に見覚えのない池の絵が描かれていたりする。絵の池の水面が本物のように揺らめき、美咲は恐怖に包まれる。

美咲は呪いの力に翻弄され、邪悪な存在の存在を認めざるを得なくなる。科学的アプローチを放棄し、オカルト信者へと転向したのであった。


さっそく「好きな結末」を選んであなただけのミニマルなあらすじを合成し、頭の中の倉庫にストックしましょう!

ところで、この段階では、物語と呼ぶにはまだ何かが足りていませんね。

そうです。「中盤からクライマックスへの展開」が出来ていないのです。

実際のところ、物語を作ろうとする人が最も苦しむのがこの「中盤からクライマックス」です。

どんな出来事を追加すればいいのか? どうやって進行すれば盛り上がるのか?

悩ましいところですよね。

でも、大丈夫です! ぴこ蔵メソッドでは、あらすじをガッチリと物語化するための、具体的かつ合理的な戦略を開発しました。このノウハウを知るだけで、中盤以降のシナリオ構築が断然簡単になります。

続きは『AI育成計画~物語速成術・ホラー編その3』で!



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