変わらないもの

交通安全のビブスを着たおじさん
横断中とかかれた旗を持って
登校する子供たちの安全を守る

今年に入ってからこの道を通っているが決まってこのおじさんがいる

きっと暑い夏の日も寒い冬の日もいるんだろうな

最近は寒さも緩まって
少しずつ春が近づいてきている

大人の私にも律儀に挨拶をしてくれる
おはようございます
私は会釈だけで返答する

毎朝同じ時間に家を出る
毎朝同じ時間に立っている

ある日おじさんんはそこにはいなかった
いつもより数分ばかし家を出たのが遅かったからか
おじさんはきっと朝の勤めを終え家に帰ったのだろう

次の日もおじさんんはそこにはいなかった
あれ今日はいつもと同じ時間に家を出たのに

次の次の日もおじさんんはそこにはいなかった
こんなこと今までなかった
何かいつもと違う

知ってるけど知らないおじさんのことなのに
急にとても不安な気持ちになった
まさか…



あれ


そういえば最近子供たちの姿も見かけない


…ああ分かった、春休みになったんだ!

自分の中だけで起承転結した


桜の木が色づく頃にまた
いつもと変わらないおじさんに会えるのを少し楽しみしている

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