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人間椅子 2023年『色即是空~リリース記念ワンマンツアー~』2023年10月18日 名古屋 Electric Lady Land

人間椅子 2023年『色即是空~リリース記念ワンマンツアー~』
2023年10月18日 名古屋 Electric Lady Land
19:05〜21:20頃
セットリスト

SE 此岸御詠歌

1.さらば世界
2. 悪魔一族
3. 狂気人間
4. 人間の証明
5. 牡丹灯籠
6. 雪女
7. 杜子春
8. 蛞蝓体操
9. 死出の旅路の物語
10. 瀆神
11. 今昔聖
12. 未来からの脱出
13. 宇宙電撃隊
14. 針の山

(アンコール)
15. 星空の導き
※ この後、Black SabbathのInto the Voidを結構長く演奏。
16. 死神の饗宴
17. 無情のスキャット

計17曲

鈴木さんがじわじわ元気になってるようで何よりです。

後ろから(今日ほぼ最後方だった)見ると宇宙電撃隊の時そんなにタオル回してる人多いわけでもないね。まあ好き好きでw

だらだらと感想を。

・「悪魔一族」を聴くのは個人的にタワレコ渋谷のインストアライブ以来になりますが、やっぱり途中のテンポ(拍子?)が変わるところ(間奏から『気をつけろ 奴はどこにもいる』へいく一連のところ)で無茶苦茶スイッチが入ってしまいました。

今回会場のいちばん後ろに近いところに立っていて、前方の時に比べてある程度空間に余裕があるのでステップ踏みまくりでブンブン踊っておりました(人にぶつからないよう制御はしつつ)すげえ楽しい。

今回のセトリでは「今昔聖」もスイッチが入る曲で。
これはもうイントロから踊ってしまいます。
つまり変拍子的なものを聴くと体がステップを踏んで踊らずにはいられない。これは自分がブラジル音楽を経由してるからではないかと思いますが、まあ理屈じゃなくて本能なんだな…

・踊るといえば「蛞蝓体操」も。
イントロから本編が始まったところでもうグニャグニャと横揺れしつつ気持ちの悪い動きをせざるを得ない。
そうです私が蛞蝓です。

本当にこの豪快な横揺れリズムのたまらない気持良さ、これ1つをとっても実によくできた曲だと思います。
「月の狂気が誘う蠕動〜」の延々としたお経のような繰り返しのところのリズムも最高であります。
もうトランス状態になるでよ。

・「踊ってしまうリズム」の話をしてきましたが、人間椅子の曲のリズムの複雑でありながら実に面白くてきっちり合わせられたときのカタルシスというか気持ち良さには特筆すべきものがあると思います。

・「蛞蝓体操」のお経パートへいく時の間奏で、和嶋さんが座っている鈴木さんのところへ行って向かい合って弾いている時に背後でノブさんが打ち鳴らすシンバル。
これは演奏的にもいいアクセントになってるし絵的にも素晴らしい。

見た目(そもそも衣装というか風体がねえ)とこの構図、人間椅子以外のどのロックバンドのライブで見られましょうや…という気になります。ありがたいありがたい。

・「人間の証明」はライブで聴けたのは今回が初ですが、アルバムではそんなにリピートする曲ではなかったものの、ライブはやはり良いですね。
一緒に合唱するのが楽しい。
この曲を鈴木さんが紹介する時は必ずKISSの名前が出るので、ぜひKISSの皆さんにも聴いてみて欲しいものです。

・「狂気人間」の「オォォォォー」のシンガロングの時、お客さんの手の動きは下からにゅいーっと上げてきて最後にキュッ!と締めるのが主流になってきたようです。
キュッ!の部分、歌のフレーズに微妙に合うか合わないかな感じなのだが、かといって締めないのも落ち着かないし。フリってのも難しいもんすね。

・「牡丹灯籠」は本当にどこもかしこも鈴木さんの優れたベーシスト及び表現者としての特異な魅力に溢れてるが、中盤のベースとギターの掛け合い(交互に演奏する)も本当にたまらんね。

耳へのご馳走である…とともに、鈴木和嶋両氏の友人でありバンド仲間でありつつも演奏者としての好敵手であるかのような(楽器は違うんだけどさ)一種の緊迫感と気迫を感じる。
こういうところが個人的に人間椅子のたまらないところだったりするのだ。

・「死出の旅路の物語」はインストアライブ以来で聴けたが、やはり「パラッパラー…」以降の部分が白眉であります。
和嶋さんの語り、ギターとベースも良いが、語りの間に入るドラムのブレイクがまた効果的で曲を引き締めていていいんである。この時のノブさんがとてもカッコいい。

・「未来からの脱出」で背ギターと背ベースを並んで立って行う和嶋鈴木両氏の姿は非常にありがたいものがありました。
鈴木さんはおそらく結構体が硬い人なのではないかと思うが、それに加えて今は悪化した脊柱管狭窄症を抱えた上でのこれである。
ファンサービスの鬼である。

・「宇宙電撃隊」はイントロのダースベイダーのテーマのような始まりからもうこちら側スイッチがONになりあとは電撃隊です(我々は電撃隊そのものになっているのかそれともそれを応援している立場なのか?)

名古屋では後ろから見る限りファンファンファファーンでタオルを振っているのは5分の1もいない感じでしたが、初参加の地元の方が多いわけなのでそれは当たり前ですね。
タオル振るも振らぬも、きっと皆さんこの曲を大いに楽しんだのではないでしょうか。

34年目にして和嶋さんの渡辺宙明氏愛をこんなにどストレートに詰め込んだ曲をアルバムに入れて、しかもライブを大盛り上がりさせるのはホントさすがやな。
そして自分は「で・ん・げ・き!」の段階からもう天をも突けよという勢いで腕を突き上げたので、衝撃で後で肘の関節がおかしくなりました。
いってぇ。

・間髪をおかず「針の山」でもういっちょ体力の山を迎えるなど。これは中年層が多いお客への「まだまだやれよ」という人間椅子からの叱咤の愛でしょうか。

個人的には今回、最後列に近いため後ろに空間的余裕があったので「和嶋さんと同様、踵を太ももにしっかり引きつけた(折り曲げた)ジャンプ」をすることができてよかったです。高度もフォームの美しさも和嶋さんには全く及ばないけどねえ。

・アンコール1曲目「星空の導き」ではアコースティックギターを弾く和嶋さんを「上手いなあ…」と聴きながら、実に効果的にずっしりと深みを与えてくる鈴木さんのベースにひたすら凄えなあと思ってました。

ノブさんの繰り出す諸々のパーカッションの効果も合わせて、世の中でアコースティック演奏1つをとってもこんなに手を抜かず独自の空間を作り出せるロックバンドが他にあるかい?などと思ったものです。

・「我々Black Sabbathに影響を受けて〜」だったか「我々日本のBlack Sabbathと呼ばれて〜」だったか枕部分は忘れましたが、イントロを随分長くやってくれたInto the Void。

今回のツアーは色々サービスが多いねえ。やはり鈴木さんが座って演奏なのでその分…といった律儀さからなのであろうか。
そういうとこやぞ(本当に信頼できるバンドだなあ)

そして人間椅子はやはり日本のBlack Sabbathだと思ったことです(自分みたいな素人が言うと適当に聞こえてしまうw)

・そしておなじみの2曲で終了。
他のライブレビューでも言及されてましたが、「さらば世界」で始まり「無情のスキャット」で終わる、いずれも現状への絶望から希望を求め心理的連帯への希求に至る曲というところがなかなか考えられてるなあと思ったり(そんなに意図はないかもしれないですが…)

そして34年目にしてライブ全17曲の内9曲が新曲(まあ新譜ツアーだからね)他の曲もほとんどがここ10年くらい以内の曲、というセトリであんだけ盛り上がるのだからね。そこが真の凄さの一面というべきか。
人間椅子恐るべしです。

てなわけで今回も非常に楽しかったです。

自分のツアー参加はあと仙台とファイナル羽田を残すのみですが、どちらかで今ツアーで登場はしてるけれど自分がまだ聴けてない「屋根裏のねぷた祭り」を演ってくれると嬉しいのですけどね。

まあツアーは終わるまでがツアーなので(当たり前やがな)メンバーもスタッフさんも最後までご無事ご健康でいてくださることを願うばかりです。

鈴木さんもなるべくコンディション良好な状態でツアー後の手術に臨むことができるといいねえ。

(終了)