たま神さま＃３

たま神は頻繁にピカスペースに通いだした。
わたしはあまり大阪にいなかったので会えた時は毎回、「やっとはるきさんに会えました」
「この前来た時、ものすごく面白い物を拾ったからはるきさんに見せたかった」「もう売っちゃいましたけどね」みたいな感じでたまご焼きを手土産に話し込んでいた。
軽トラックのおかげでスクラップ類の売上は良かった。
珍しいものは格安で泥棒市で売り捌いていた
ある程度、令和のアパッチ族は自走していた
だいぶ前だったが、たま神から電話がかかってきて、新しいハイボールの飲み方を教えてくれた
たま神は自分で作ったハイボールを飲もうと思った
飲んだ見た所、今までのハイボールと違い甘かった
すごくおいしかったとの事、炭酸水と間違って三ツ矢サイダーを入れてしまった
ハイボールは三ツ矢サイダーで割ると美味い
そう言って三ツ矢サイダーも持ち込んでピカスペースのウィスキーで割って飲んでみた
確かに美味い
これをたま神ドリンクとして店で提供している
たま神は三ツ矢サイダーを持ち込んで「はるきさん今日も行きますか？」と言ってピカスペースのウィスキーでたま神ドリンクを作っては飲んでいる。
中々図太いところもあるのだが、美味そうに飲む為、オッケーにしている。
「はるきさん、今日の売り上げ1800円で飯も食ってないんですよ」系も度々ある事だ
わたしはたま神の作る家庭的なカレーが好きである。
こだわったスパイスや素材で作る今風のスパイスカレーではなくごく当たり前のカレーである。
材料費の3000円を手渡して、米を炊いて待っていると3000円全額使い切って材料を買ってくる。
大体12人前くらいあるんじゃないだろうか
出来上がって大盛り2杯をペロリとたいらげると、大きなタッパを出して「はるきさんお持ち帰りして良い？」と言ってくる
中々たくましいじゃないか、たま神よ

続く