4/30-掌編小説 夢ですか?

 イケメンになることです。息子の憧れになりたいです。息子が見本にできるような人物になりたいのです。こんなふうになりたい、でも同じ道はない、我が道を進まなければならないことが最初からよくわかるように、息子の見本は母が務めるべきだと思うのです。娘の彼氏的存在でありたい。私の娘に彼氏はいらない。私を超える存在が現れる日がくる、その人があなたとひとつになる人、あなたを一人にしない人。それまでの間は私がいるからねって示せる、そんな自信を得られるまで、ぼくはきみとひとつになれない。私は君の彼女になりたいわけじゃない。私に彼氏はいらない。あなたはわたしとひとつになる人、わたしを一人にしない人。

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。