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ぼくら

めんどくさいのは
繰り返しているだけのやったことがありもう知っている向上のないことだと思っているから

やりたくないのは
上手くこなす自信がないから、そして上手くこなせないから

すべきことを忘れてしまうのは
やらなくても大丈夫だと思っているから、そして大丈夫だから


惰性で繰り返してるから、もしくは誰かにやらせるから向上しないし、
誰かにやってもらうからできるようにならないし、
忘れてもいいと思ってるから覚えていられない、忘れたことにも気づかない、誰かが代わりにやってくれていることにも気づかない


めんどくさいこと、やりたくないことを誰かに任せて、忘れていることに気づくことさえなく、忘れている、それでも大丈夫なのは誰かがやってくれているから


向上する気がないから
何もかもめんどくさいし、
できないことをできるようになる気がないから
やったことがないことは何もかもやりたくないし、
忘れてしまうのは仕方がないと諦めている

楽しくないのだから覚えていられないのは当然だ
心を亡くしているのだから自分に対しても他者に対しても哀れみなどない
身体が無くなるまで生きながらえているだけのぼくら

抜け出したい
向上したい

だってさぁ
さもなくば
壊れていく
何も見えなくなっていく


そんな中、
そこで
こんなぼくが
虫歯を治してもらうには
新しい眼鏡を手に入れるには
すなわち
ぼくのために誰かに働いてもらうためには

ぼくはどんな働きをすればいいだろう
ぼくにできることはなんだろう


幼少期から虫歯の多いぼくだった
大人になってからはほとんどならなくなったんだが

いまある虫歯はストレスによる歯の食いしばりが主な原因だと思われる
歯にうっすらひびが入っているらしい

食いしばりを無くすことと
もうなってしまった虫歯を治してもらわなければならないのだが、
歯医者さんへは去年一度行ったっきり、次の予約の日に体調を崩してキャンセルしてから行っていない
半年以上経ってしまった

だってやっぱりセラミックにしてもらいたいよなぁと思ったら、お金持ってないから行けないやってなっちゃったり
どうしても銀歯は嫌だし、プラスチックの混合素材のやつじゃすぐに壊してしまうかもしれないし


ぼくは高校一年生から高校二年生になるまでの間に急激に視力が落ちた

おそらくスマホを与えられたのが大きな要因だろうと思う

ぼくは自分にはいらないなと思ってた
持ちたくないなと思ってた
やっぱり使いこなせなかった
いらなかった
わからなかった
こんがらがっていった
ただただ時間が奪われた
ぼくが考えても悩んでも答えが出ることのない疑問が増えていくばかりで苦しいし
ぼくはぼくの時間をぼくの成長のために使うことができなくなってた、それは、スマホを持つ前からであったとは思うが、スマホを与えられ、より深刻化したように思う



人が虫歯になるのは
虫歯になる要因をつくることを仕事にしている
立派な社会人たちがわんさかいることや、
ストレス上等ストレス万歳どれだけのストレスに耐えられるかの不幸自慢大会な社会の、更なる高みを目指す世界で、虫歯や病気になることが仕事の一環になっているからだろう


人の視力が落ちるのは

時間を奪い
能力を奪い
仕事をつくるから

他を下げ
自分は上にいるように錯覚して優越感に浸る輩の策略に嵌っているから

本の読みすぎ
テレビの見すぎ
ゲームのしすぎ

目が悪くなるのも仕事の一環
本を読むのも
テレビを見るのも
ゲームをするのも仕事の一環

みんな偉いし、
みんな愚か
みんな必要だし
みんな必要ないけど

素敵な眼鏡がかけられるなら
ぼくも眼鏡が必要になってしまった事実を嘆かないで手に入れにいこう

そのためにぼくにはどんな働きができるだろう



スマホと共に生きているからこその害は
ぼくにとっては相当に苦しいもので
それを乗り越えることはぼくにはできそうもないんだけれど

スマホと共に生きているからこその恩恵をすでにたくさん受けてしまっているゆえ、手放すことはできないどころか、この恩を返していかなければならないのだろう

それは苦しいことではないはずだ
これからはどんどんと良いとこどりしていこう


苦しみはあった、ぼくにとっては害のほうが大きかった、であるけれども、それにより得られたものはあった、
そういう世界なのだと、それら全てを受け止めて、ぼくはぼくにできうる限り、ぼくの務めを果たしていこう

行きたいところにふらっと行きたい、ひとりのひかり暮らし、明日を恐れずに今日を生きたい、戦争と虫歯と宝くじのない世界を夢想してみる。