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丸亀製麺から学ぶローカライズ戦略

今年4月に Westfield Valley Fair に丸亀製麺がオープンして早速食べに行ったのだけど、メニューが米国向けにしっかりとローカライズされている印象だったので、これを題材にローカライズ戦略について考えてみようと思う。

米国店舗のメニュー(右側)

ぶっかけうどん → B.K. (メニュー2行目)

米国では、ぶっかけうどんが B.K. という名前で売られていた。米国では「ぶっかけ」はNGワードだからだと思われる。

このように、そのままの名前で米国に持っていくと不適切な表現になるものは多く、そのような場合は名前が変更されて販売される場合が多い。有名なものだと、カルピスは「Cow Piss(牛のおしっこ)」に聞こえるという理由で米国では「Calpico」という名前で販売されていたり、七味は「Shit me」に聞こえるという理由で「Nanami」という名前で販売されていたりする。

また、初期は「MARUGAME」ではなく「MARUKAME」として出店していたが、これは前者だと「マルゲーム」と読む人が多かったかららしい。「米国人が正しく発音できるか」もローカライズの観点のひとつとして重要。

ヴィーガンメニュー(メニュー4行目)

米国の店舗では、ヴィーガンメニューが用意されていた。これは丸亀製麺に限らず、(少なくともカリフォルニアでは)大半のレストランでヴィーガンメニューが用意されている。

こちらの記事 によると、2018年時点で米国人の 5-8% がベジタリアンだと認識し、3% がヴィーガンだと認識しているようである。ヴィーガンメニューを用意するのはアクセシビリティの観点から重要なのはもちろんのこと、ビジネス観点からも無視できる人数ではなく、対象顧客を広げるためにも非常に重要である。売上を 1-2% 上げるのが非常に大変な世界の中で、ヴィーガンメニューを用意することで簡単に 10% 弱の対象顧客の増加を見込めるのであれば対応しない手はない。

とんこつうどん(メニュー5行目)

米国では「とんこつうどん」というラーメンみたいなうどんが売られていた。せっかくなので食べてみたら思っていた以上に美味しかった。

日本人からしたら邪道な感じがするものの、米国人に通用するものを売るという意味では、本場のこだわりを持ちすぎるよりは正しい戦略だと思う。

他の例としては、日本の巻き寿司が米国ではカリフォルニアロールとして売られている。もはや日本の寿司ではないが、米国では受け入れられている。

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