リスクマネジメントについて

最近,プロジェクトマネジメントに興味を持っていて,リスクマネジメントに関する名著 「熊とワルツを」 (トム・デマルコ)  を読んだ.

ソフトウェア開発には不確定要素が常につきまとい,完成日と完成確率の関係は以下のグラフのようになる.

多くのプロジェクトは,納期に目標値 (Jan 1) を設定するが,これは確率が 0 ではない最初の日 (リスクが全く顕在しなかった場合の完成日) であり,この日までに終わる確率は 1 ナノパーセント程度である.

実際は上図のような不確定幅を持っているため,リスクを徹底的に出しきった上で「●月●日までに終わる確率は●%」と提示するのが正しい方法である,というのが本書の主張である.これをもとに,どこまでリスクを受け入れられるかをプロジェクトごとに判断していくことになる.本書ではこれを「おとなのプロジェクトマネジメント」と呼ぶ.

不確定要素の定量化の手法としては SRSS (Square Root Sum of Squares) が使われることが多い.SRSS は 2σ (95 percentile) で完了する日を見積もる手法であり,最近では自分もこれを使っている.

リスクマネジメントの考え方は,何もソフトウェア開発だけの話ではない.人生なんてもっと不確定要素だらけである.これまでは人生においてリスクを取っても (たまたま) うまくいくことが多かったためか,リスクマネジメントなんて意識してこなかった.それはそもそも自分が思ってた程のリスクではなかっただけかもしれないし,ソフトウェア開発と違って (今はまだ) ステークホルダがいないため意識する必要がなかっただけかもしれない.今は保険なんて期待値考えると絶対に入るべきではないとか思っているが,家族ができたりしたらまた人生のリスクに関する考え方が変わるのかもしれない.

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