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米国展開における「日本らしさ」という差別化について

先日、プロダクトの米国向けローカライズについてまとめました。日米間の生活習慣や快適に感じるデザインの違いなどに応じてUXや機能に変更を施すことは、米国人にプロダクトを快適に利用してもらう上で非常に重要です。

一方、日本独自の文化や価値観といった「日本らしさ」は、うまく活用することで日本企業だからこそ出せるオリジナリティとなり、現地企業との差別化に繋がります。そこで本記事では、「日本らしさ」を活用して米国展開をおこない、現地でのプレゼンスを高めている事例をまとめようと思います。

「日本らしさ」の米国への持ち込み方には、大きく分けて米国ですでに受け入れられている日本の文化や価値観を活用するパターンと、米国でまだ受け入れられていない日本の文化や価値観を持ち込むパターンの2つがあります。

米国ですでに受け入れられている日本の文化や価値観を活用する

米国で普及している日本の文化や価値観は多くありますが、そこからビジネスチャンスを見つけて米国展開を目指すパターンです。例えば、アニメや漫画はパンデミック以降、米国での人気が急拡大していますが、Orangeはそこに着目し、漫画の翻訳という切り口で米国展開を進めています。漫画家や出版社とのコミュニケーションを考えると米国企業が入り込むのは難しく、日本企業に優位性があるマーケットだと思います。

日本の価値観や考え方も米国で広く普及しています。例えば「禅」「マインドフルネス」に興味を持っている米国人は多いです(特に西海岸)。このような日本独自の考え方は、プロダクトを米国向けにブランディングしていく際に現地企業との差別化要素として活用することができます。数年前にこんまりが米国でブレイクしましたが、「断捨離」という日本独自のミニマリズムの思想を活用することで米国展開に成功した事例といえるでしょう。

米国でまだ受け入れられていない日本の文化や価値観を持ち込む

日本では当たり前のモノや考え方の中で、米国でまだ受け入れられていないものを持ち込むパターンです。例えば、元々は米国人は生魚を食べる習慣がなかったですが、長年かけて徐々に米国で受け入れられていき、今では寿司レストランは全米の至るところに見られます。こちらのパターンは前者とは異なり、まだマーケットが存在していないところを狙うので不確定要素が大きいですが、同時に成功した際の影響力も非常に大きいです。

先週、星野リゾートが米国に温泉旅館を開業するというニュースがありましたが、まだ米国に存在しない「日本の温泉旅館」を持ち込むことで米国展開にチャレンジしている事例です。日本企業がHiltonやMarriottなどの外資系ホテルチェーンと同じようなホテルを展開しても差別化が難しい中で、日本企業ならではの強みをうまく活かした展開方法だと思います。

また、Oishiiは米国で日本のクオリティのイチゴを作っていますが、日本では当たり前のように手に入る「美味しいイチゴ」が米国に存在しないことに着目して米国でビジネスをしています。このような、日本人だからこそ発見できる米国でのペインは大きなビジネスチャンスとなり得ます。

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