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【存在だけでも愛して】テレパス/ヨルシカ


2023年01月12日 Release
TVアニメ「大雪海のカイナ」オープニングテーマとして起用された。

ヨルシカが生み出す美しさの結晶のような曲
休符が作る「余白」さえも物語を感じる。

テレパス
相手の思考を読み取ったり、言語などを使わずに自分の思考を相手へ直接伝えることができる特殊能力を持つ人

無私の共感はテレパシーたり得るという曲、
だとコメントが出されていた。

私信やエゴなどの「自分のため」と言った感情がない状態、
私的計測基準などを排除して、
他の存在自体、またそのもの自体を認識できる状態を指す。

そのような共感は、テレパシーにもなり得る。

まとめると以上のような概要になるだろうか。

歌詞を追って、考えを綴る。

涙の形容

A「どう言えばいいんだろうか
例えば雪化粧みたいな そう白く降ってるんだ」

a「寂しさ?それを言いたかったのね」


・白く降ってる雪は寂しさ?(涙の形容)
寂しさが積もって降り止まない

A「そう言えばいいんだろうか
溢れた塩の瓶みたいで」

・寂しさを雪化粧と表したらいいんだろうか
寂しさ(涙)の結晶が瓶から溢れているみたいだ
例えようのない寂しさがある

会話のように歌詞が進む。

想像で世界を変えて
お願い、一つでいいから
もう一瞬だけ歌って
メロディも無くていいから
寂しさでもいいから

・誰かに救って欲しい
メロディもなくていいから歌って欲しい
=言葉がなくてもいいから隣にいて欲しい
寂しさでも(形がなくてもいいから)隣にいて欲しい

※特定の誰かでは無い、想像で作り出した誰か
もしくは隣にいて欲しいと願う相手がいる(いた)

創り上げたなにか


A「どう言えばいいんだろうか
剥がれた壁のペンキなんだ 何度も塗り直した」

・作り上げた幻想か、今までの自分自身か、大切な誰かが剥がれてしまった(崩れ落ちてしまった)
1人で思い出、幻想を辿って塗り直した
=取り戻したかったor作り出したかった(願望)

a「想い出?それを言いたかったのね」

・上記は
今は失ったものの記憶(想い出)を想像で作り出そうとしていた

A「そう言えばいいんだろうか
嫌だな、テレパシーみたいだ」

・恐らく 「寂しさ?」「想い出?」
を問うのは大切な(だった)誰か
今は想像だけど想い出にある誰かが問いかけてる
「  」は会話
※前途にAとaを追記して表した

「無私の共感はテレパシーたり得る」
ただ、いまだ安心はない
それでも、特定の誰かでは無い、想像で作り出した誰か、
もしくは隣にいて欲しいと願う相手が寄り添っている。


想像で世界を食べて
お願い、少しでいいから
もう一瞬だけ話して
言葉も無くていいから
思い出でもいいから

・今は無い(失った)世界を自分に取り込みたい
言葉もなくていいから思い出したい
思い出でもいいから思い出したい(自分のいる今の世界に残しておきたい)


無私の共感はテレパシーたり得る


A「そう、僕だけ違うんだ
鞄に何か無いみたいで
もう歩きたくないんだ」

・でも今は1人だった 世界で1人でいるようだった
大切に詰めていた思い出(あなた)がないみたいに空っぽで
生きていたくない

想像して、自分に触れて
貴方を少しでいいから
もう一回だけ愛して
何も言わないでいいから

想像で世界を変えて
お願い、一つでいいから
もう一瞬だけ歌って
メロディも無くていいから
言葉も無くていいから

A
どう言えばいいんだろうね
例えば、


a
ね?言わなくたっていいの



言葉しなくても分かってくれる
テレパス
言葉がなくても存在が欲しい


言葉が出てこなかった
自分から生まれたたった1文字を、
自分に似た何かに当て込んで
言葉を作り出した












あいして








ここからは、

「言葉」

について考察を進めます。




想像

・想像で世界を
「変えて」、「食べて」、「変えて」

繰り返し使われる「想像」という言葉について考える。

想像
実在しない不確かな事柄などを推し量ること。
知らないモノ、ヒトを心の中に思い描く

「今は」知らない、不確かである事柄を指すのだろう。
・寂しさ
・言葉
・思い出(想い出)
・愛

これらの言葉になるだろうか。
もしくは「隣に誰かがいる世界」



世界


歌われる「世界」は、国や宇宙ではないだろう。
また、世界が持つ意味はそれだけではないようだ。

世界
自分が認識している人間社会の全体

「想像」と「世界」は対比の関係を持っていた。

自身が存在する世界を
想像を持って変えたかった、自分の物にしたかった(食べる)

全てが希薄になった現代の縮図のような気がした。

繋がることが簡単になった世界で、本当を見つけることに苦労する。
すぐに消費される世界で、自身の付加価値が分からない。
自身が下位互換で淘汰されていく気にもなる。


世間は自己肯定感と言う言葉を使うが、誤認されている。
簡単に言うと「自分に自信を持つ」みたいな、発信をよく見かけるが、
愛せない部分も含めて自分を認め、受け入れることを指す。

情報が交錯する世界で自己を持つことに酷く苦労するんだと思う。


言葉が出ないように

そこから生まれたたった一つの「あ」と言う言葉を
大切に抱えて生きている人ばかりのように見えてしまう。

その他大勢にテレパシーなんて使えるはずもなく、
正解かも分からない、自己流の「汲み取り」で相手を推し量ることしか出来ない。

だからこそ、
想像で世界が変わって欲しいと願うし、
そんな世界をよく咀嚼して、
自身の中に取り込みたいと思うのかもしれない。

簡単に繋がろうなんて、虫がいい話だ、と。


(言葉が2つしか出てこなかった…)



あいして


どんな世界に置かれようと、
少しでいい、ひとつでもいいから、
自分だけの居場所が欲しい


そんな曲じゃないかな

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