えんちゃんのクライミングノート

10年間のクライミング歴の中でクライミングノートに書き綴って来た事を記事にします。 …

えんちゃんのクライミングノート

10年間のクライミング歴の中でクライミングノートに書き綴って来た事を記事にします。 遠藤 允寿 火の玉ウォールクライミングジム代表 クライミングインストラクター 駆け出し動作分析家 ルートセッター セットや講習のご依頼もお待ちしております。

最近の記事

保持力トレーニングについて

前回の記事「保持力について」の続きとして保持トレについて書きます。 「保持力」の定義と「押さえる力」との区別まずは前回記事の最後に定義した内容の確認。 「保持力」とは、肘より先の身体能力で、各保持形(クリンプ/ポケット/ピンチ/スローパー)時の指〜手首の関節固定力及び筋腱靭帯組織の耐久力。 「保持力」と「ムーヴ」は相互に補完し合うものである。 次に「押さえる力」のここでの定義です。 「押さえる力」とは、主に体幹部の力を利用して姿勢コントロールすることによって加重のベク

    • 保持力について

      今回は「保持力」について考えてみたいと思います。 クライミングの話をする時頻繁に出てくるワード「保持力」。 ところがしょっちゅう話題に上がる割にはふわっとしているワードでもあります。 ネット上で議論が始まると以下の二つの派閥争いが起こりがち。 保持力原理主義「持てたら登れるんや」 ムーヴ原理主義「いやいやムーヴが出来たら持てなくても大丈夫」 このように両極端な意見が生まれるのは両極端な課題が存在するから。 課題A.激悪なハンドホールドだがインカットクリンプで握れた

      • 体幹を働かせてポジショニングする

        今回はポジショニングについて少し深堀りしてみます。 115°の壁に以下のようなホールドの配置があります。 このようなホールド配置の場合左手左足の同側でポジションしようとしても左半身の軸を中心に右半身が廻ってしまうので、自然と左手右足の対角ポジションとなると思います。 次にAとB、それぞれのポジションを比べます。 【ポジションA】 こちらは手を出す前にハンドホールドをより効かせる為に右腰を壁に近づけようとしています。 ハンドホールドが持ちにくくなる程このようにホール

        • 動きのパターン(矢状面編)

          今回は壁に対して前後の動きのパターンを紹介します。 早速各パターンの解説です。 【動きA】 上半身/腕の引きつけだけで上部のラングを取りに行っています。 胴体は一直線のままで壁に向かってダイレクトに移動しています。 【動きB】 先に重心位置(腰の位置)を目一杯壁に近づけており、腰位置は動かさずに上方向に向かう力は引きつけで生み出しています。 動作を解析してみると腰を壁に近づけた後、引きつけの前動作の為に肩のラインを壁から離しています。 【動きC】 Cは「重心

        保持力トレーニングについて

          動きのパターン(前額面編)

          別記事「ポジショニングを意識する」にてポジションについて解説しているのですが、 同じくらい重要な要素に「動き」があります。 この「動き」というのは非常に多くのパターンがありまして、 油断するとすぐにごっちゃになってしまいますのでしっかりと整理しておくことが大切です。 まずは前額面の「動き」のパターンをいくつか紹介します。 【動きA】 引きつけと立ち上がりで真上に重心を移動させ手を伸ばしてホールドを取ってから重心を移動させて足を置き換えています。 取り先のホールド

          動きのパターン(前額面編)

          ポジショニングを意識する

          「ポジショニング」という言葉は「登攀中の身体の位置をコントロールする」というような意味で用いられています。 「身体の位置」は「ポジション」ですね。 ポジションはホールドの配置/壁の傾斜と身体の姿勢/重心位置とのバランスで決まりますが、私はこの中で重心位置に注目してポジションを捉えるようにしています。 =========================================== 以下の図が人間の重心位置です。 大体おへそくらいの所に重心があると思って下さい。

          ポジショニングを意識する

          初めに 〜クライミングを科学する〜

          10年間、それなりにクライミングを続けてきて思う事がある。 クライミングは複雑すぎる。 ある一つの「課題」を解決しようとする際の要素を分解すると。 ====================================== A.【課題の要素】 壁/岩の  ①「傾斜」  ②「形状」  ③「高さ」 ホールドの  ④「持ちやすさ (形状やサイズ)」  ⑤「距離」  ⑥「向き」 B.【クライマーの要素】  ⑦「身長」  ⑧「四肢の長さ」  ⑨「筋力」  ⑩「柔軟性」  ⑪

          初めに 〜クライミングを科学する〜