英会話の実践の前にやるべき事は、勉強してからの「英語の練習」
英語の習得、特に 英会話 を目的とした場合、
勉強、練習、実践
の3つを適切に使い分ける必要がある
という内容です。
3つのどれも大事ですが、ここで私が一番書きたいのは「練習」の必要性についてです。
勉強と実践については私などが書かなくとも、なにをするかは多くの方はイメージがついてると思います。
なお、話をわかりやすくするために
英会話のスピーキング、すなわち
「自分の言いたいことを英語で言うこと」
に話を絞ります。
勉強について
勉強というのは英文法や単語の知識を得ることです。
いわゆる学校の授業でやる以下のような知識を得ることです。
過去の文章の作り方
疑問文の作り方
whatの使い方
実践について
実践とはすなわち、実際に英会話をする事です。
例えば以下のようなことです。
留学する
オンライン英会話を始める
英語だけで話す会に参加する
外国人の友達を作る
言語交換アプリ(HelloTalkなど)を始める
英語を始めたばかりの人にとって、実践を継続するのはなかなかに大変です。
自分の言いたい事を英語でなかなか表現出来ず、モヤモヤをずっと抱え続けます。
(相手の言ってる内容が全然分からないことの方が辛かったりしますが、今回はスピーキングの話に絞ります)
こういった大変さを根性で乗り越えて継続していく人達も一定数いるようですが、尊敬します。
私はあまり根性がなく、嫌なことはすぐに辞めてしまうのでとても真似はできません。
ですがそのように実践を継続できる根性を持った人でも、実践だけでなく練習もしたほうがより伸びると思います。
実践だけでは英語の伸びはゆっくりしたものになるかと思います。
練習について
練習の目的は「ただ知ってること」を「実際にできること」へ進化させること
さて、ようやっと本題の練習についてです。
勉強、練習、実践
について、突然ですがバスケットボール部で例えてみましょう。
勉強:パス、ドリブル、シュートなどをする時に、どのように手や体を動かすのか先輩や先生に教えてもらう
練習:パスだけの練習をひたすら行う、ドリブルだけの練習をひたすら行う、シュートだけの練習をひたすら行う
実践:試合や練習試合をする
パス、ドリブル、シュート
などはバスケの試合における1要素です。
これらを適切なタイミングで繰り出すことにより試合で活躍できます。
バスケのパス、ドリブル、シュートにあたるもの、
英会話で言えばこれは
過去の文章を作る
疑問文を作る
などといった勉強で得た知識を会話の中の適切なタイミングで使いこなすことに相当します。
そしてここで重要なのが、
「勉強だけではこれらの知識を使いこなすことは出来ない」という事実です。
「知っている」 と
「実際にできる」
は違うからです。
例えば疑問文の作り方を知っていたとしても、この知識を英会話の実践で使いこなせてさらっと英文を言えるかというとまた別の話かと思います。
まだ初心者のうちは何か疑問文を言おうとしても、「えーと主語がこれでー」などと考える時間が必要で、瞬時には作れないかと思います。
瞬時でなくとも最終的に作れればまだよいですが、「あー、えーと」などと言った挙句に最終的に英文が出来ずに終わったり、身振り手振りや単語を並べるだけで終わってしまうこともあるでしょう。
だからこそ、練習が必要です。
バスケの例えのように、
過去文をひたすら作る
疑問文をひたすら作る
といった練習を行いましょう。
実践の前に練習をすべき理由
しかしここで、次のように思う方もいるはずです。
「それって勉強した後にひたすら実践をすれば解決なのでは?」
「始めのうちは英文を作るのに時間がかかっても、実践をひたすら続けていればどんどん早く作れるようになるのでは?」
これについては、その通りだと私は思います。
勉強したあとにひたすら実践をすればだんだんと知識を使いこなせるようになっていく、すなわち英語が上達していくでしょう。
ですが、実践だけですと練習に比べて上達は非常にゆっくりになるかと思います。
すなわち、実践の項で書いたモヤモヤをより長い期間、抱え続けることになると思います。
特に初心者の頃は練習もした方が上達は絶対に早いと考えております。なぜそうなるのか、またバスケで例えてみましょう。
例えばシュートが上手くなりたいと思った際に、練習を行わずにひたすら実践だけをしていたらどうなるでしょうか。
まぁその方が上手くなる天才もいるかもしれませんが、そうでない一般人は練習もした方がいいと思います。
実践だけではシュートがあまり上手くならない理由は以下かと思います。
試合中に自分のところにボールがたくさん来るとは限らない
ボールが来たとしても、状況によってはシュートではなくドリブルやパスをした方が良いこともある
いざシュートを打つにしても、相手選手にシュートを邪魔されたり、あるいは急いで打たなければならないなどで、教えられた理想のフォーム通りには出来ない
そしてこれは英会話でも一緒だと思います。
同じように、英会話の実践をする場合を考えましょう。
例えば
「疑問文を作るのが苦手だから今日は相手にいっぱい質問するぞー」
と思ったとしましょう。
しかし、相手がいっぱい質問をしてくる会話の流れになるかもしれません。
質問に答えた後に今度は自分から質問しようとしても、「えーとえーと」と考えてるうちに相手からまた次の質問が来たり。
いざ疑問文を作ろうとしても、その時に質問したい内容が複雑だったり、「この単語は英語でなんていうの?」などと疑問文を作ることそのもの以外で困ったり。
上記のように実践では色んな事が起きます。
なのでまずは練習で
「ただ知ってること」から「できること」への進化
をある程度に達成してから実践に臨んだ方がよいかと思います。
実践だけだと偏りが出る
英会話の実践では自分にとってなるべく使いやすい表現ばかりを使ってしまいがちです。
使う表現に偏りが出てきます。
バスケでシュートばかり打っていると、いざパスやドリブルが必要な場面で上手く出来ません。
同じような事が英語でも起こります。
自分の得意なモノや長所を伸ばし続けるのもよいとは思いますが、
苦手なものや出来ないことへの対策もした方がよいです。
苦手なことを避けて既に出来る事だけで乗りきる事を繰り返している状況は、あまり上達に繋がるとは思えません。
練習は実践と違い、「いつでも」「どこでも」出来る
英語の実践、すなわち英会話は
「話相手」、「相手と自分の都合のよい時間と場所」
の用意が必要です。
練習にはそんな用意は必要ありません。
思い立ったらすぐに始められますし、やろうと思えばいくらでも出来ます。
まぁ例文集の用意は必要ですが、一度用意すればよいだけです。
毎回の用意は必要ありません。
一度用意さえすれば、朝起きた布団の中とか通勤や通学の電車の中など、本当にいつでもどこでも出来ます。
すなわち、
「ただ知ってること」から「できること」への進化
を促すことに対して、実践よりもたくさんの時間をかけることが出来ます。
ここまでの話まとめ
長くなってきたのでいままで話をいったんまとめましょう。
要点は以下です。
勉強で得た知識は「知っている」から「実際に出来る」へ進化させる必要がある
実践でもその進化は可能だが、練習に比べてゆっくりしたものになる。
その理由は以下実践では色々な事が起こるので、知識を使いこなすことに集中できない
実践ではどの知識を使うかに偏りが出る
実践は用意が色々必要だが、練習はいつでもどこでも出来るので、よりたくさんの時間をかけられる
練習とは具体的になにをするのか
バスケのシュートであれば、一人でひたすらシュートを打ち続けるなど方法はいくらでも浮かぶと思います。
しかし、こと英語となるとどうすればよいのか分からない人も多いかと思います。
これには「瞬間英作文」というやり方が一番良いと思います。
具体的なやり方は下記のサイトを参考にするのがよいです。
https://mutuno.sakura.ne.jp/05-training02.html
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」という本も出版されてますが、スマホアプリもあるのでそちらがおすすめです。
アプリをスマホにいれ、上記ページの内容を熟読してなにをすべきかを頭に入れたうえで
朝起きた時や通勤や通学の電車の中などでひたすら瞬間英作文をやりましょう。
まぁ正直アプリは結構いいお値段がしますが、本についてるCD音声を取り込む手間も無いですし、
苦手な英文をリスト化したりとか速さ調節とかの機能もついてるので便利です。
そしてやろうと思った時にさっと起動できます。
あと絶対に音声を利用してやったほうがよいです。
それからくれぐれもの注意として、
「英文の暗記」は絶対にやめましょう。
意味がないです。
「主語がこれで、動詞は〜」などと毎回考えながら文を「作る」ということを徹底的に意識しましょう。
「こういう言い方をしたい時はこういう順番で単語を並べるのか〜」という体験を何回も繰り返す事で
「英文を"作る"ことに慣れる」ことが重要です。
すると英文を作るスピードがどんどん上がっていきます。
暗記ではなく作る。
これが1番重要です。
実践が練習に劣っているという訳ではない
いままでの文章だと、「実践をせずに練習をひたすらすべきだ!」
と主張してるように見える人もいるかもしれませんが、そういうことを言いたい訳ではないです。
実践だけでなく練習もすべき
ということを言いたいだけです。
練習の方が適していること、
実践でしか出来ないこと
がそれぞれあるというだけです。
最終的に実践をすることはとても大事だと思います。
実際の会話の間とか空気感とか、話題が変わる事へ瞬時に対応するとか、会話している最中に何かトラブルが起きるとか、練習だけでは心構えできないことがたくさんあります。
くわえて、感情が載ると練習とはまた違った感覚で話せます。
自分の経験的に
「こういうことを相手に言いたい!伝えたい!」
という気持ちが高い時に言った英文はかなり自分の血肉になる印象を受けてます。
一度そういう気持ちで使った単語や表現は、次に使うときに他の英文に比べて すっ と軽く繰り出せる感じがしてます。
実践を経験すると、練習の際に実践の時の話相手を思い出して感情を込めて発話することで、
より質の高い練習を行う事もできるようになります。
あともちろん勉強も大事です。
3つを適切に使い分けましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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