BABYMETALの楽曲「ヘドバンギャー!!」は泣けるよね、という話
世界初、メタルアイドルとしてデビューして世界ツアーも果たしているBABYMETAL。私も最近彼女たちの曲を聞き始め、ライブには行ったことがないものの、すっかりとりこになってしまいました。
セカンドアルバムである「METAL RESISTANCE」がややおすまし顔と言うか、洗練されたアルバムであるのに対し、デビューアルバム「BABYMETAL」はアイドル的要素、つまりアングラ感や、オタク感といった要素も多く含みます。
そんな中、個人的にたいへんな名曲であると感じるのが「BABYMETAL」収録の「ヘドバンギャー!!」です。おそらく、ヘドバン(ライブで激しく頭を振るアレ)と、バンギャ(主にヴィジュアル系バンドを熱心に追いかけるファンの女の子のこと)をかけた言葉だと思いますが、歌詞が本当に素晴らしいんです。
歌詞は以下↓のリンクから読むことができます。
http://j-lyric.net/artist/a056877/l029497.html
読んで(動画を見て)いただければわかりますが、この曲は15歳の女の子が好きなバンドのライブにいき、ヘドバンをしまくる。泣き虫な奴はここから消えろと言い放ってしまう、攻撃的な曲です。実際に曲調は激しく、ライブでもしんみりする曲ではありません。
しかしこの曲は泣ける。
私の涙腺を大いに刺激して止みません。
青春18きっぷを握りしめた15歳の女の子は、
「15(いちご)の夜を忘れはしない」
として、そのライブを胸に刻みつけようとヘドバンをします。そう、15歳の日々も、ライブの夜も、簡単に終わってしまうからです。
「狂い咲くこの華ははかなく消える」
曲の冒頭で、サビで、こう歌われる儚くて、手からこぼれ落ちてしまいそうな瞬間を、必死にヘドバンでつなぎとめようとするのですね。
素晴らしいと思ったのが、この曲のダンスで(BABYMETALはダンスも大変魅力的です)土下座があること。感動しました。
この曲はMVも作られていますが、ボーカルであるSU-METALがあるバンドの大ファンとなり、天から降りてきたコルセットを身に着けてヘドバンをするという内容です。そう、15歳の女の子はバンド(じゃないかもしれないけど、あるミュージシャン)に夢中です。彼らを崇め、部屋に写真を飾り、彼らのためなら「東へ西へ、南へ北へ、今日もドセンに突撃」するのです。
ダンスにおける土下座は、15歳の女の子のバンドへの傾倒というか、もう信仰心の域だと思いますけど、そういった部分の現れなんだと思います。
15歳くらいのとき。驚くほどなにかに夢中で、必死で、好きなものに一直線だった15歳のとき。好きなものだったら土下座までしてしまう視野の狭さ。
「伝説の黒髪を華麗に乱し
狂い咲くこの華ははかなく消える
もう二度と戻れないわずかな時を
思い出に刻むんだ 15の夜を
ひらり宙に舞う」
私はずっとこの曲を聞いてヘドバンをしたくなるときがあります。