デモクリトス

トラキア地方アブデラに生まれる
アナクサゴラスの弟子だったとも言われる

ソクラテスよりも年下で同時期に活躍したが
タレスから続くアルケーの究明に一つの答えを出したこともあり
ソクラテス以前の哲学者と位置付けられる

師匠レウキッポスの原子論(アトミズム)を
完成させたのがデモクリトスと言われる

原子論

不生・不滅・分割不可能な原子(アトム)が
空虚(ケノン)の中を飛び回ることで、それぞれ集合・離散を繰り返し
世界におけるあらゆる現象が成り立っている

『原子』という生まれもしないし消えもしない、それ以上分割できない存在
それらが空虚という『何もない空間』を飛び回る

原子には大きさと形がありそれらがはまったり取れたりすることで
結合と離散が繰り返されている

以前は空虚(非存在)は人間が認識できないものだから、
論理的に考える場合は排除しなければいけないと考えられていた

デモクリトス
「『ないもの』をこうやって言葉として認識できるならば、
それは『ないものがある』と言える」

認識・倫理学

人間の認識には『感覚』と『思惟』があり、
感覚は文字通り人間の感覚に頼った『暗い認識』
思惟は論理的思考による『真なる認識』

原子のようなミクロの世界を正しくとらえるためには
感覚による暗い認識ではなく、論理による真なる認識が必要

原子論的思考は倫理学にも及び
デモクリトスは魂までもが原子によって構成されていると考える

原子で構成されている魂を安定した状態に保つことこそ
真の幸せにたどり着く方法

デモクリトスの原子論により
パルメニデスによって封印されていた多様的な世界の捉え方が復活

原子論の神や精神を否定する機械論的な側面
世界は原子の動きによって機械的に構成されているだけ
神のもなく、原子がくっついたり離れたりしているだけ

不幸は単に原子の集合・離反の結果→心の平穏

この頃からギリシアの社会情勢が大きく変わり、
哲学の関心はまた違う分野へ

原子論が再度日の目を浴びるまでに
2000年近い月日が必要だった

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