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近代~現代哲学・思想

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#新実在論

カンタン・メイヤスー

新実在論
主体による認識によって左右されることのない 否定しがたい「実在」があることを、
哲学的な思弁を通じて明らかにしようとする理論

21世紀現在、実在論が問題になってきた背景20世紀の構造主義、ポスト構造主義により
「実在性」や「主体」といったものは、徹底的に根拠を剥奪された
また、それらの思想は、結構、「何でもあり」という相対主義的な態度だった

それではまともな哲学的論議をすることや、政

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グレアム・ハーマン

ハーマンの実在論は、「対象指向存在論」と呼ばれる
彼は、従来の哲学は「対象」(=実在)について
真正面から論じてこなかったことを指摘する

私たちが遭遇する対象には、
フィクションの世界にしか存在しないものや、
社会的慣習や取り決めによって存在するもの、
境界線がはっきりしないものなどもあり、
それらを物理的に実在する対象と同列に扱ってよいかは疑問

ハーマンによると、これまでの哲学が対象を扱う戦

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マルクス・ガブリエル

ガブリエルは、メイヤスーのような、物から成る偶然的秩序から
意味を排除する立場に対抗しつつ、
ハーマンのように、 対象を主役にするのではなく、
主体と実在の関係を再考する形で、 実在論を復権しようとする

そのうえで、ガブリエルは19世紀ドイツの哲学者シェリングの後期の思索を重視している
シェリングは、思考以前の存在であり、
偶然性と必然性の境界線がないカオスから、
偶然性、必然性、思考、論理、真

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