グレアム・ハーマン

ハーマンの実在論は、「対象指向存在論」と呼ばれる
彼は、従来の哲学は「対象」(=実在)について
真正面から論じてこなかったことを指摘する

私たちが遭遇する対象には、
フィクションの世界にしか存在しないものや、
社会的慣習や取り決めによって存在するもの、
境界線がはっきりしないものなどもあり、
それらを物理的に実在する対象と同列に扱ってよいかは疑問

ハーマンによると、これまでの哲学が対象を扱う戦略は、
解体と埋却の二通りであった

解体…対象をそれを構成する原子やクオークのような
   基礎的な物理的要素から捉えるべきだとする唯物論的な立場

埋却…対象とは経験における現れに過ぎず、
   物それ自体は把握しがたいとするカント的な立場

これに対し、ハーマンは対象の四つの極を指定
「実在的対象」「実在的諸性質」「感覚的対象」「感覚的諸性質」

彼によれば、さまざまな対象はこの四つの極の関係から説明できるという

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?